★動画あり★動物カメラマンの小原玲さんにお越しいただきました。(愛知県・高校生)

動物カメラマンの小原玲さんに、「流氷の伝言-アザラシの赤ちゃんと地球温暖化-」というタイトルで講話をしていただきました。動物カメラマンとして最前線で活躍されている小原さんのカメラマン人生と、最近取り組んでいるアザラシの赤ちゃんが流氷の激減により危機に瀕している問題等をお話していただきました。

 

2015/5/11

記事を読む

 



計画・進捗

2014年4月の「天才!志村どうぶつ園 2時間スペシャル」に小原さんが出演、アザラシの赤ちゃんと環境問題を取り上げていて、とても感動的な内容として印象に残りました。後に、名古屋に住んでいらっしゃること、以前講話をしてくださった小説家の堀田あけみさんが奥様だということが分かり、講話をお願いしました。

事前打合せ・事前学習

<事前打合せ>

メールと電話で事前打ち合わせを実施。講話は「流氷からの伝言-アザラシの赤ちゃんと地球温暖化-」というタイトルで、ご自身のカメラマン人生と軌跡もお話いただくことになりました。

<事前学習>

小原玲さんについてまとめた資料を事前に配布しました。                                            

当日の様子

2015年5月11日、小原玲さんのしごと講話を実施。まず、20代の頃は報道カメラマンとして中東のパレスチナやアフリカのソマリアに行き、戦争の悲惨な現場を世界に伝えていたことを話されました。天安門事件では最前線でシャッターを押し続け、その写真がアメリカのLIFE誌で、「The best of LIFE」に選ばれ受賞したこと等も話されました。大型テレビに映した当時の写真を、生徒たちは息を飲んで見ていました。

続きを読む

また、戦争の悲惨な写真を撮って世界に配信する仕事に矛盾を感じていたことも話されました。「痩せ衰えて飢えている子ども、そんな現場でシャッターを押していると自分も一緒に泣いてしまうのですが、ホテルに帰ると、いい写真が撮れたと喜んでいるもう一人の自分がいました。そんな自分に矛盾を感じ、報道カメラマンを辞め、動物カメラマンに転身しました」と話されました。その後、動物カメラマンとして、北極の白熊や日本の蛍などいろいろな写真を撮り続けてきたことを話されました。今は、地球温暖化で流氷が激減し、アザラシの赤ちゃんが危機に瀕していることを多くの人たちに伝えたい、と話されました。生徒たちは小原さんの話す言葉に熱心に耳を傾け、紹介される写真の一枚いちまいを食い入るように見ていました。講話の間には、小原さんの写真集を何冊か回覧しました。「すごい方が来た」、「小原さんに会えたのは、今年一番の感動した出来事」という生徒もいました。

難民の子どもたちの写真説明。
難民の子どもたちの写真説明。
回覧した小原さんの写真集。
回覧した小原さんの写真集。
生徒たちに、小原さんの写真集を回覧していく。
生徒たちに、小原さんの写真集を回覧していく。

事後学習

<事後学習> 講話終了後、質疑応答の時間を設けました。また、ワークシートに意見・感想などをまとめました。生徒たちは日頃はよく知らない戦争の現場や北極など極地での生き物の様子に非常に興味を持ち、熱心に記入していました。                                         

続きを読む

<ワークシートの意見・感想>

・「可愛らしいアザラシの赤ちゃんの写真を見せてもらいました。しかし、そんな可愛らしいアザラシの赤ちゃんたちは、地球温暖化で苦しんでいるそうです。温暖化の影響でアザラシの赤ちゃんが住む流氷が溶け、ボロボロになっています。とても心が痛みました。その動画を鑑賞した時も、非常に悲しい気持ちになりました。同時に、地球温暖化について『僕に何が出来るか』を考えました。最後に小原さんは、『好きなものを大切にしてほしい』と言われました。その言葉を噛みしめ、僕も好きなものを大切にしていこうと思いました」(2年生男子)

・「今日は、たくさんのことを考えさせられました。いつもの、自分の生活を送っているだけでは気付かない、知らない世界の様子を学ぶことができました。難民の子どもたち、流氷の減少で苦しむアザラシの赤ちゃんたち、どれも心が痛む出来事ばかりです。でも、知ることができて良かった。今日の授業は、とても有意義でした。知らない世界のことを身近に触れることが出来ました」(2年生女子)

・「自分の仕事上、泣きながらでも戦争の難民の子どもたちの写真を撮っていく。でも、仕事が終わって、良い写真が撮れた、良い仕事ができたと満足している自分がいる。たしかに矛盾しているし、複雑だったと思います。そんな自分の心を見つめることができるのは、小原さんがプロフッショナルな方だからだと思いました。自分の撮りたいものの場所に行って、戦場や北極などの極地へ出かける。とてもすごいお仕事をされているなと感じました」(1年生男子)

                         

質疑応答。
質疑応答。
グループこどに前に出て記念写真。
グループこどに前に出て記念写真。
ワーシートに意見・感想を記入。
ワーシートに意見・感想を記入。

所感・振り返り

中東のパレスチナやアフリカのソマリア、さらに北極やカナダの流氷に生きる動物など、知らない世界のことを小原さんのお話を聴くことで生徒たちは身近に感じることができました。非常に感動したようです。これからもこのような感動的な講話を生徒たちに提供していければと思っています。

協力先名・URL

動物カメラマン小原玲さんのサイト

http://www.reiohara.com/index2.html

実施校・参加者

私立 第一学院高等学校 養父校(名古屋キャンパス) 1・2年次生

男子19名、女子15名