自衛隊の仕事~海上自衛隊厚木基地~(神奈川県・高校生)

昨今、「集団的自衛権」や「基地移転」等の話題で自衛隊への関心は高まっている。しかし、実際の活動や仕事の内容をしっかり理解する機会はなかなか少ない。また、興味があっても何となく身近な存在として捉えにくい生徒も多い。国のために活動している隊員の方々に直接お会いし、入隊した動機や実際の仕事内容などを聞くことができれば、これまでのイメージとの相違や新たな気づきもあることを期待した。

 

職場観察実施日:2014/7/25

記事を読む


計画・進捗

5月初旬に自衛隊神奈川地方協力本部の高橋さんに連絡し、職場観察の依頼をした。今回の趣旨として、生徒がイメージしている自衛隊の仕事と実際の仕事との相違、働いている方々の姿勢や意識を学ばせてほしいと伝えたところ、前向きに検討したいとの返答があった。

続きを読む

高橋さんより、来校して改めて具体的な話を聞きたいとの連絡があった。5月9日、横浜キャンパスに高橋さんが来校。今回の趣旨を直接説明したところ、前向きにご検討いただけるとのこと。5月中旬に連絡をいただき、7月25日に厚木航空基地での職場観察が可能との返答をいただいた。詳細は、今後定期的にお会いしながら進めていくことを約束した。

事前打合せ ・ 事前学習

6月初旬、高橋さんより詳細内容を確認したいとの連絡があった。6月18日に横浜キャンパスで事前学習を実施する旨を伝えたところ、ぜひ参加したいとおっしゃっていただき、こちらからもお願いをした。事前学習前に来校いただき、打ち合わせを行う。当日までに参加者名簿の提出を約束した。

続きを読む

6月18日に高橋さんと第1回目の打ち合わせを実施。職場観察する上での注意点や禁止事項等の確認後、事前学習にも参加いただき、海上自衛隊の紹介DVDを上映、今回の職場観察についてお話をいただいた。生徒たちもいつもと違う雰囲気に真剣な眼差しを向けていた。今回担当していただく高橋さんおよび基地で働いている方々への質問事項を実施日前にお渡しすることを約束した。

当日の様子

7月25日当日。高橋さんが横浜キャンパスにバスで迎えに来てくださった。約1時間で厚木航空基地に到着。基地内は米国のため入門の際にかなり厳しいチェックがあると聞いていて緊張の面持ちだったが、すんなり入門できた。

続きを読む

まずは基地内の広さに驚嘆の声。基地内をバスで移動後、視聴室にて海上自衛隊のビデオを視聴。その後、P3C輸送機の内部へ。音の大きさと風圧の凄まじかった。撮影は一切禁止とのことで、携帯電話の持ち込みも不可。事前に担当の方に預けての見学となった。内部の詳細の説明を受け、操縦席に座った時の視界は意外と狭く感じた。

昼食は隊員の方々と一緒に食堂で毎週金曜日恒例の海軍カレーを食べた。隊員の方と話しながら食事をし、笑顔も見られた。すぐに管制塔へ移動。エレベータがないため、階段を走って登った。管制塔では、航空機やヘリの離着陸の指示を見学した。次に見学した整備の仕事は、猛暑の中、汗だくになって働いている方々の姿に感銘を受けた。その後、基地敷地内をバスで周回し、最後に厚木基地の概要の説明を受けた。質疑応答では事前に提出した項目に丁寧に答えていただき、自衛官の心構えや仕事への誇りなどを熱く語る姿に聞き入っていた。

「マッカーサーが降りた場所は・・・。」
「マッカーサーが降りた場所は・・・。」
「海上自衛隊の組織・部隊構成は結構細かいのです。」
「海上自衛隊の組織・部隊構成は結構細かいのです。」

海上自衛隊に関するDVDを視聴しました。
海上自衛隊に関するDVDを視聴しました。
毎週金曜日恒例の海軍カレー。「う~ん、絶品!」
毎週金曜日恒例の海軍カレー。「う~ん、絶品!」

事後学習

7月28日に事後学習を実施。お世話になった自衛官の方々にお礼の手紙を作成し、郵送した。特に、事前準備から当日の送迎まで携わってくださった高橋さんへは、温かい感謝の気持ちを記していた。その後、目的に掲げていた「自衛官の仕事を知る」、「働く意義を知る」ことについてグループ学習でまとめ、各代表が発表した。

続きを読む

【振り返り】

・堅苦しい感じを持っていたが、意外とそうではなく、明るい雰囲気だったので、緊張せずに色々な物を見学できました。

・階級によって制服が違うこと、また制服の種類も多くあり、驚きました。

・54歳が定年だと聞き、一般の企業よりも早いので、定年後のことが少し気になりました。

・P3C内部の見学など、貴重な体験が出来て、とても嬉しかったです。

・日々の仕事に皆さん誇りを持って取り組んでいることが伝わりました。

所感 ・ 振り返り

自衛隊に関する話題を日々耳にするが、どちらかというと人命救助や震災等での活躍が多い。実際に基地内で働く方々の姿を見ると、仕事の内容は多岐に亘り、想像していたものとは違っていた。専門性の高い仕事が多いことも新たに発見できた。自衛官の方々の仕事に対する情熱や使命感には圧倒された。「日本のために」という視点は、今後生徒たち自身が普段の生活にどのように活かしていくのかを考える機会になった。

続きを読む

また、「集団的自衛権」や「基地移転問題」も自分たちの問題として捉えて、改善策を話し合うことも期待したい。

実施校・参加者

私立 第一学院高等学校 高萩校(横浜キャンパス)

男子10名、女子6名