平和を仕事にする(京都府・高校生)

「自衛官になりたい」と希望する生徒が増え、自衛隊の役割、仕事について講演を依頼。講演ではあまり触れられなかった整備・物資補給・管理部門などの部署を見学し、バックアップ体制とその現場で働く人々の姿を通じて、自衛隊に勤務する人々の姿と、体力だけではない仕事の役割を実感した。

 

職場観察実施日:2013/7/18

記事を読む





計画・進捗

自衛隊 京都案内所に依頼し、7月18日、現役自衛官の方をお招きし、自衛隊の活動や役割について講演していただきました。平和維持活動、災害救援、世界への貢献、の三つを柱にした役割と、入隊後の訓練や生活状況について映像を交えて理解を深めました。講演後、希望生徒は駐屯地の見学を予定し、11月に宇治駐屯地の見学を実施しました。

事前打合せ ・ 事前学習

7月11日、東日本大震災での復興活動等、災害救援に大きな役割、力になっていることを伝えて欲しいとリクエストしました。また、自衛隊・自衛官の仕事をもっとリアルに実感してもらうために、現役自衛官の経験談を交えていただくよう依頼しました。質問時間を設け、自衛官の方とコミュニケーションを取れるような講演内容にしていただきました。

 

当日の様子

7月18日 講演

陸上・海上・航空の制服を着用した5人の自衛官の方々に来校していただきました。凛々しい姿に圧倒されたのか、生徒たちも幾分緊張している様子です。背筋を伸ばして、姿勢よく講話に聴き入っていました。東日本大震災における救援活動映像と体験談が始まると、教室内が一層の静寂に包まれました。被災した人々の苦しみを感じ取ろうとしているようでした。

続きを読む

研修期間を終えたばかりの女性自衛官の方への質問では、上官の方を前にして答えにくそうにしている素振りが微笑ましく、教室が温かな雰囲気に包まれました。丁寧かつ真摯に答えようとする同世代の自衛官に、生徒たちも共感するところが多いにあったようです。講演終了後、複数の生徒が女性自衛官の方に駆け寄り、「頑張ってください!」と激励していた姿が印象的でした。

聴く姿勢がビシッとしています
聴く姿勢がビシッとしています
女性自衛官さんと一緒に
女性自衛官さんと一緒に

講演が終わって
講演が終わって

事後学習

11月28日 『宇治駐屯地』見学会

7月の講演で興味を持った生徒、以前から自衛隊に興味を持っていた生徒と、自衛官の日常の姿を見学しました。この見学会はハードな訓練を積んでいる人だけではなく、整備や物資管理といった『縁の下の力持ち』のような方々に焦点を当て、様々な役割を担っている人たちの存在と、その意義について生徒たちに感じて欲しいと考えました。

続きを読む

見学後に「体力が劣っていても自衛隊員になれるのですね」といった声や、「少し安心しました」という感想が聞かれました。改めて生徒の本音に触れたような気持ちになりました。社会に出てどんなことができるのか、自分の居場所が見つかるのかという不安や悩みを抱え、自信が持てるものがまだ見出せていない、形に出来ていない生徒も多いことを実感できました。「誰かが必要とする限り、そこに役割や仕事が生まれる」といった広い視野と、自らの可能性に気づいて欲しいと思いました。今回の職場見学を通じて「自分に出来ることは何だろう」と、考える機会や意識の芽生えにつながったのではないかと感じました。

発電機の整備をしています
発電機の整備をしています
電波を通さない部屋があります
電波を通さない部屋があります

日本に数台しかない電圧機
日本に数台しかない電圧機
制服を作る方もいます
制服を作る方もいます

所感 ・ 振り返り

”自衛官”はとてもエネルギッシュな方ばかりです。気力に溢れ、言葉遣い、礼儀、所作がとても綺麗です。このような点は一般企業で就業されている方より、大いに感じられる自衛官ならではの特徴です。社会で活躍できる人物の素養を備え、生徒にとってのモデルになりうる姿だと感じます。今後は災害救援活動の講話とともに、面接指導やコミュニケーション講座などを提案したいと考えています。

協力者 ・ 生徒の声

<協力者の声>

生徒のみなさんに喜んでいただけたのが、とても嬉しかったです。 自衛隊に興味を持った生徒さんはいつでも京都案内所に来てください。受験アドバイス、面接練習などもさせていただきます。

 

<生徒の声>

『自衛官になりたい』という気持ちがもっと強くなりました。来年、採用試験にチャレンジします。自衛隊といえば体力勝負というイメージを持っていましたが、体力が劣っていてもできること、貢献できることがあるのだと強く実感でき、少し勇気が出ました。 

実施校・参加者

私立 第一学院高等学校 養父校(京都キャンパス)

計21名(講演14名、見学会7名)