働くことは、つながること ~牛乳工場の職場体験に学ぶ~(愛知県・高校生)

創業七十余年、一日出荷量約80トン、牛乳、乳製品、清涼飲料も扱う、地元の工場を訪問。工場勤務は製品を相手に黙々と労働するものでは決してなく、工場内の社員同士はもちろん、生産者、消費者の方々とも繋がっているということを、1日の職場観察を通して学ばせてもらった。

 

職場観察実施日:2013/12/11

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計画・進捗

豊橋市はトヨタ自動車系列のみならず、多くの企業の工場が集まっている。そのため、生徒たちにとって工場は身近に感じられる職場であると言える。一方で、工場勤務は製品を相手に黙々と労働するものだ、というイメージをもつ生徒が少なくない。しかし、すべての仕事は必ず他とつながっているということを、みんなの身近にある飲食料品を通じて体感してもらいたかった。2013年12月4日、職員が本社総務課へ事前打合せに伺い、1日労働体験をお願いする。

農家からタンクローリーで届く牛乳
農家からタンクローリーで届く牛乳
豊橋・田原市民10日分の牛乳タンク
豊橋・田原市民10日分の牛乳タンク

事前打合せ ・ 事前学習

2013年12月5日、対象生徒が事前学習に臨む。

当日の様子

2013年12月11日午前9時、職員と共に生徒が本社総務課に伺う。労働体験の内容説明の後に衛生指導を受ける。社員・パートの方も、入職時に同じ内容の指導を受けているとのこと。社是は「一円融合」。生産者、加工者が心を一つにして製品をつくり、消費者がそれを待っている。貢献の大きさを感じられる。

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午前中は、小中学校の給食室から返却された、4万本にのぼる牛乳瓶の洗浄準備。飲み残しや未開封のためにくっついている紙栓を一つ一つ手作業で取り除く。午後からは、牛乳配管(牛乳タンクから一本一本の瓶への注ぎ口)の洗浄。生徒は、「牛乳が飲めるまでにこのような工程があるとは知りませんでした」と驚いていた。

牛乳瓶の紙栓除去
牛乳瓶の紙栓除去
次々と学校から返ってくる牛乳瓶
次々と学校から返ってくる牛乳瓶

4万本の瓶を洗います
4万本の瓶を洗います

事後学習

体験報告。ご協力ありがとうございました
体験報告。ご協力ありがとうございました

2013年12月16日、ワークシートとお礼状の記入、ポスターの作成を行う。


所感 ・ 振り返り

職場見学は、その分野の仕事に携わりたいという明確な意志がある生徒に対し、知識と経験をもたせる目的で実施することもあれば、進路を悩んでいる生徒に対し、ヒントを与える目的で行うこともある。今回の参加生徒は、そのどちらでもなく、他分野の仕事に携わりたい意志をもち、そのための専門学校への入学が決まっていた。しかし、アルバイトを含め、これまで労働体験がなかったため、広い意味で働くということを、この機会に知ることができたようである。

協力者 ・ 生徒の声

<協力者の声>

同じ職場の中にも外にも、いろいろな立場や役割の人がいて、みんながつながって助け合っている。働くとはそういうことです。

 

<生徒の声>

アルバイトの経験も無くご迷惑にならないかと不安でしたが、社員の方々が親切に対応してくださり、安心して観察することができました。牛乳が大好きなので処分される牛乳を見ると心が痛みました。

協力先名・URL

中央製乳株式会社

http://www.chuomilk.co.jp/index.html

実施校・参加者

私立 第一学院高等学校 養父校(豊橋キャンパス) 3年次生

男子1名