その後、新生児室隣のナースステーションを見せていただきました。24時間365日、交代制で勤務し、何かあればいつでもすぐに対応できる体制をとっているということでした。また、新生児室の入口にはロックがかけられており、解除しなければ入室できないそうです。また新生児にはセンサーが取り付けてあり、さらに防犯カメラの録画機能もあって、万が一の事態防止のためのシステムも、万全の対策を取っていることでした。生徒たちは設備のすごさに驚いていましたが、とくに感心したのは、ナースステーションでの看護師による電話対応でした。外部からの電話は全てナースステーションの看護師がとることになっているとのことです。説明によると、電話を受けた看護師の方が、問い合わせてきた妊婦さんからの質問に、即座に応えるためによるものです。そのほか、来院用駐車場の開閉や、病院への案内など、応えられる質問には全て対応し、それ以外の事務的な問い合わせは、受付に回すそうです。看護師という多忙な仕事にも関わらず、妊婦さんへの配慮を優先した対応には、生徒もとても驚いていました。そんなナースステーションの見学中に、急に慌ただしい動きがありました。別棟の分娩室でお産が始まったということです。ホワイトボードに妊婦さんの状況を細かく記入し、看護師同士で情報を共有する素早い動きに、生徒たちにも緊張が走りました。ほどなく、無事生まれたという報告があり、生徒たちにも安堵の声が漏れました。看護師の方からは、「生まれるまでがとても大変で非常に緊張する」と説明がありました。生徒からこの仕事のやりがいについて看護師の方に質問すると、「とても大変だけど、新たな生命誕生の瞬間に携われる仕事に誇りを持てるから」と答えていただきました。そして最後に、「あなたがたも、母親から愛されて生まれてきたので、無事に生まれてきたことに感謝すること」「女性は母になるために健康であること、そのためにも気持ちと体力を強くすること」などを話していただきました。その言葉に生徒たちも何かを感じていたようです。最後は、看護師の方、担当の方に、生徒たちが今日の見学の感想とお礼を述べました。そして帰りがけに新生児室の赤ちゃんを再度見て、癒されて帰路につきました。

「ヒトが生まれる、生きる」という命の重みと、その仕事に携わることの重要性と尊厳を考えさせられました。生徒たちの今後の人生の中で、必ず役に立つことになった、巻石堂病院の職場見学でした。巻石堂病院のスタッフのみなさん、お忙しいところわざわざ時間を割いて見学させていただき、本当にありがとうございました。