海外へ救援衣類を送る運動 (茨城県・高校生)

タイやラオスには、貧困や自然災害の被害により、衣類を必要としている人々が大勢います。NGOのアジア連帯委員会(CSA)では、そのような方々へ救援衣類を送る活動をしており、茨城県では、連合茨城が主催となり、今年で32回目を迎えます。昨年に引き続き、今年も、衣類や募金(輸送費)の提供、そして、集められた衣類の分別と梱包作業のボランティアに参加してきました

 

2015/10/6


実施内容 

<計画・進捗>

昨年は、水戸市のボランティア協会より、ボランティアの情報を頂きましたが、今年は、昨年の活動実績から、連合茨城より直接、活動の案内を頂きました。昨年、参加した生徒から、貧困地域の状況を知り視野を広げることができたというような感想をもらい、生徒たちの「学び」にも繋がっていることを実感し、今年も継続して参加することを決めました。連合茨城にご連絡させて頂き、ボランティアの詳細を確認し、生徒への告知から計画を立てました。告知用のプリントの配布と、家庭への学校通信に内容を掲載し、保護者も含めて、衣類とボランティアの募集を行いました。

 

<事前打合せ・事前学習>

10月5日(月)の放課後に、ボランティア参加者を集め、事前学習を実施しました。

「なぜ救援衣類が必要なのか?」ということを知る必要があり、まずは、タイとラオスについて、地図上で位置を確認し、各国の経済状況や生活の様子などを調べ学習しました。位置も分からない生徒たちでしたが、資料を読み込み、現地の状況を少しずつ理解しました。初めて知ったことや印象に残ったことなどをワークシートへまとめながら、貧困の現状に唖然としていました。低迷する経済や環境汚染、医療や教育の不足、自然災害・・・多くの問題を抱えていることが分かると、現地で救援衣類が大変喜ばれている現状に納得ができたようでした。

最後に、ボランティアに取り組む際の目標なども記入し、当日を迎えるための士気を高めました。

 

<当日の様子>

10月6日(火)の朝8時30分、参加者は全員、学校に集合し、保護者の方から学校に提供して頂いた衣類を持って、徒歩で会場へ向かいました。受付を済ませ、会場の中に入ると、各地から回収された衣類の入った袋とダンボールの山が見えました。活動開始時刻の9時になり、主催者の方から、活動内容の説明を頂き、役割分担をしてボランティアをスタートさせました。マスクと軍手を装着し、たくさんのボランティアの方々に紛れて、ダンボールと袋を解体し、衣類を「大人用」と「子ども用」に分別する作業に取りかかりました。

活動中、トラックで次から次へと運ばれてくる衣類のダンボールの多さに、「こんなにあるなんて・・・」と生徒たちは圧倒されてしました。たくさんの衣類が届くことは、現地の人たちにとっては、喜ばしいことですが、新品の衣類も多々あり、生徒たちからは、「無駄な買い物をしているのかな・・・」「もったいない・・・」「日本はあまりにも裕福ですね」といった声も上がりました。

貧困地域を救済したいという思いを抱えながらも、自国である日本の現状を目の当たりにし、複雑な気持ちを抱いていたようでした。

休憩を挟みながら、正午まで、額に汗を浮かべながら熱心に取り組んでいる様子が見られました。

 

<事後学習>

10月7日(水)の放課後に、事後学習として、ワークシートの作成を行いました。

「活動内で印象に残ったこと」や「意識したこと」、さらに、「活動を通して学んだことや気づいたこと」などを記入してもらい、自分自身の動きと共に振り返りをしてもらいました。

「救援衣類がこんなにも大量にあるとは思ってもいなかったので、とても驚いた。」といった感想が目立ちましたが、中には、「遠い国のことだからとか、私たちに関係ないよとかではなく、いろいろな面から私たちは支えられていて、また、支えて生活している・・・と実感する機会になった。」や「貧困国の過酷さを知り、その人たちのためになれて良かった。海外にも目を向け、自分の働きが役に立てているという気持ちで、さまざまな活動に取り組んでみたい。」というように、海外支援を身近なこととして捉えられた内容もありました。

 

タイやラオスについて事前学習中です!
タイやラオスについて事前学習中です!
このズボンも喜んでくれるといいな・・・
このズボンも喜んでくれるといいな・・・
振り返りを集中して記入しています!
振り返りを集中して記入しています!
各地から集まった衣類・・・の山!!
各地から集まった衣類・・・の山!!
梱包が完了したダンボールがどんどん増えていきます。
梱包が完了したダンボールがどんどん増えていきます。
1枚ずつ丁寧に仕分けします!
1枚ずつ丁寧に仕分けします!
終了後は達成感と充実感で一杯でした。
終了後は達成感と充実感で一杯でした。

所感

今年もボランティアを通して、生徒たちは、たくさんの「学び」ができたようでした。貧困国についての知識はもちろん、知識を持った上での国際的な見解や、実際に目で見て、体を動かして得られた気づきや思いが、本当に貴重なものとなりました。また、自分自身の生活や日本の現状を改めて見つめ直す機会にもなったようです。今後も、生徒たちの「学び」に繋がるような活動に、積極的に関わっていけたらと考えています。

主催団体・参加者

私立第一学院高等学校 高萩校 (水戸キャンパス) 1~3年次生

1年生男子1名、女子1名、2年生男子2名、3年生女子2名、計6名