★動画あり★名古屋で活躍する新進気鋭の若手女性弁護士が来校!「ブラックバイト対策講座」について語る。(愛知県・高校生)

名古屋第一法律事務所様のご厚意により、弁護士の久野由詠さんに、「ブラックバイト対策講座」について語っていただきました。久野由詠さんは、名古屋で話題になっている新進気鋭の若手女性弁護士です。

 

しごと講話:2014/11/19

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計画・進捗

ブラックバイトとは、学生やフリーターなどが行うアルバイトにおいて、最初の契約内容と違う厳しい業務に就かされたり、正社員並みの長時間労働を要求されたりするなど、法令違反にあたるアルバイトのことを指しています。中日新聞朝刊11月4日号において、プラックバイトの問題が一面トップで書かれていました。

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その記事で紹介されていたブラックバイト対策で活躍する弁護士の久野由詠さんと、名古屋キャンパスの職員とに交流があったので、ぜひ校舎に来て「弁護士によるブラックバイト対策講座」を実施してほしいと依頼しました。本人も快諾してくれました。名古屋キャンパスでは、現在アルバイトをしている生徒は僅かですが、これから大学・短大・専門学校に進学しアルバイトをしていくようになるため、ブラックバイトへの基本知識は必要だと考えました。

事前打合せ・事前学習

久野由詠さんが事務局長をつとめる「ブラックバイト対策弁護団あいち」が発行している小冊子
久野由詠さんが事務局長をつとめる「ブラックバイト対策弁護団あいち」が発行している小冊子

事前学習では、中日新聞朝刊11月4日号の内容を学びました。さらに、ブラックバイト対策弁護団あいちが発行している小冊子も生徒に配布しました。


当日の様子

11月19日(火)、弁護士の久野由詠さんが来校。「ブラックバイト対策講座」を実施してくれました。日本のアルバイトの環境はここ十年で大きく変化しており、今の30代や40代の大人の方々が、自分たちの若い頃のアルバイトを振り返って、現在の若者のアルバイトを考えると、大きく見間違うことを強調されました。現在では、どこの企業でも正規の社員を減らして、非正規の社員を増やしている現状があり、とくにアルバイトに正社員並みの環境を強いる職場が多いことを話されました。

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若いバイトの学生に、最初の契約内容にない過酷なノルマや、正社員並みのシフト勤務を入れ、長時間労働で学業に支障が出ていることも話されました。これらはブラックバイトと呼ばれ、今では大きな社会問題になっていること、そして働くには、ワークルールと言って、どこの職場でも法律を守って安全に配慮した雇用環境を整備していく必要があるのに、一部の企業が堂々と法令違反を繰り返しており、プラック企業と呼ばれていることを話されました。生徒たちもその話を聴いて、熱心にメモを取っていました。アルバイトも含めて働く人たち一人ひとりが、法令にもとづき安全に配慮された職場環境を作る必要があり、そのためにもプラックバイトを無くしていく必要があることを訴えられました。

久野由詠さんによる講義
久野由詠さんによる講義
聴いている生徒たちも真剣な表情
聴いている生徒たちも真剣な表情

事後学習

久野由詠さんのお話が終わってから、生徒たちはワークシートに意見・感想・質問を記入。その後、意見発表や質疑応答を行いました。

<ワークシートの意見・感想・質問>

・「アルバイトが、コンビニの商品を売るノルマを果たせなかったので、給料から天引きされて買わされているなんて、初めて知りました。もちろん多くのコンビニはそんなことをしていないでしょうが、一部にもそんなコンビニの店があることを知り、悲しくなりました。

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他にも、最初は週に数回だけの約束だったのに、途中で長時間労働のシフト勤務をさせられて、大学や専門学校に通えない若者たちが多くいることを知り、とても腹立たしく思いました。そんなの断れば良いじゃんと思う人もいるでしょうが、私も実際にアルバイトをしていると、店長の言うことになかなかイヤだと言いにくいです。私もこれからブラックバイトには気をつけようと思います」(1年女子)

・「世の中でブラック企業が話題になっていることは知っていましたが、ブラックバイトと言う言葉は知りませんでした。僕はまだアルバイトをしたことがないのですが、大学に進学したら、必ずアルバイトをすると思います。気をつけようと思いました。アルバイトのおかげで学校に通えないなんて悲し過ぎます」(1年男子)

・「大学や短大、専門学校に通う若者たちをフォローしていくのが大人の責任だと思う。また社会の責任でもあると思います。それなのに学生の無知につけこんで、学生を食い物にしたアルバイトをさせている企業があることを知り、世の中って恐いなと感じました。 一日も早く、ブラック企業やブラックバイトが無くなれば良いなと思いました」(1年女子)

事後学習でワークシートに記入
事後学習でワークシートに記入
生徒たちとの記念写真
生徒たちとの記念写真
生徒による意見発表
生徒による意見発表

所感・振り返り

職員の中にも、アルバイトの環境が大きく変化していることを知らなかった者がたくさんいます。ここ十年で、正社員並みの仕事やノルマを課せられたアルバイトがたくさん増えていることを知りませんでした。自分たちが若い頃にやったアルバイトを振り返って、現在のアルバイトのことを考えていました。今回、久野由詠さんに講師にお越しいただいて、生徒たちだけでなく、職員も勉強になりました。そして生徒たちと共に、働くということを一緒に考えていきたいと思っています。

協力先名・URL

名古屋第一法律事務所(弁護士紹介:久野 由詠弁護士紹介ページ)

http://www.daiichi-law.gr.jp/staff/kuno.html

実施校・参加者

私立 第一学院高等学校 養父校(名古屋キャンパス) 1・2年次生

男子6名、女子11名