区議会議員のお仕事~女性の社会参加を応援します~(東京都・高校生)

国の政治に興味や関心を持ってもうことはなかなか難しい。教科書や日々報道される政治のニュースは、生徒にとって遠い存在なのではないか。そこで、まずは身近な政治に興味や関心を持ってもらうこと。自分たちの地域の課題に目を向けてもらうこと。そんなきっかけとなるようなお話を、直接、区議会議員からしていただくことで、少しでも政治に関心を持ち、ワークライフバランスについて考えることを期待した。

 

しごと講話:2014/6/27

記事を読む

 



計画・進捗

『週間東洋経済』や『週間アエラ』に紹介され、若手女性区議会議員として注目されている鈴木あやこさん。江東区議会議員一期生で、地域の活性化に向け活躍されている。彼女の政策の基本は「働く女性のワークライフバランスを応援する」。ワークライフバランスは、社会に出る前に考えてもらいたい大切な問題である。そこで、しごと講話の依頼をサイトから行った。すぐに返答があり、後日、趣旨などを聞いた上で引き受け可能かを検討するとのこと。

続きを読む

5月22日 四ツ谷キャンパスにて、ご挨拶と趣旨の説明、どのような内容をお話いただきたいかをお伝えする。その場で快諾していただく。

6月20日 講話の最終打ち合わせ。パワーポイントを使用し、簡単な経歴、江東区の様子、なぜ議員を志したのか、若者の政治参加について、さらに、女性の働き方についてなどをお話いただくこととなる。議員も、高校生に向けてというのは初めてなので、楽しみにしているとのこと。

事前打合せ ・ 事前学習

事前学習を終え、議員の鈴木あやこさんが登場。驚きの表情の生徒たち
事前学習を終え、議員の鈴木あやこさんが登場。驚きの表情の生徒たち

6月27日、鈴木議員の到着前に30分ほど時間を取り、事前学習を実施。紹介記事(『週間東洋経済』、『週間アエラ』)を用いて鈴木議員を紹介。

続きを読む

その後、区議会議員の仕事について知っていることを各自3つ記入してみようということで、ワークシートに記入を進めてもらう。考え込む生徒が多かったのは事実。身近でありながら意外と知らない区議会議員の仕事。最後に、江東区について紹介。48万人が暮らす、東京23区内でも、人口増加が進んでいる地域。水辺が豊かな「水彩都市」で、2020年の東京オリンピックには多くの競技が行われることを学んだ。


当日の様子

6月27日、区議会議員の鈴木あやこさんが登場。事前学習の資料で目にしていたものの、若い女性議員であることに、生徒は少し驚きを感じたようである。生徒にとって「議員」「政治家」はもっとお年を召した方のイメージだったようだ。

続きを読む

お話が始まると、メモをとりながら真剣に耳を傾ける生徒の姿が見られた。特に、彼女が議員を目指すきっかけとなった「私を変えた出来事」に共感した様子。その出来事の一つが、結婚してマイホームを購入されたこと。これにより、「他人事」と思っていた地域の課題が「自分事」になったということ。「地域をよくしたい」という想い。そして、女性として何ができるのかを考えて大学院に入学し、「ワークライフバランスを研究」したということ。自分たちならどうするだろうと考えた生徒も多かったようである。また、「若い皆さんが地域を変える力ですから、もっともっと地域の議員さんと積極的に関わってください」というメッセージをいただいた。

最後には質問コーナーを設け、丁寧にお答えいただいた。

<質問内容>

・議員の給与は?→月額60万円ほど。でも、政治活動の費用も含まれての金額だから決して楽な生活ではない。

・自分の住む区をもっと近代的にするには?→それこそ地域の区議会議員さんとお話してみてください。耳を傾けてくれるはずです。

・議員は偉そうだと感じていたが・・・。→私もそう思っていたが、意外とみんな地域のことに一生懸命。地域の人の話に必ず耳を傾けてくれます。

自己紹介から始めます
自己紹介から始めます
地域の政治は身近なものですよ
地域の政治は身近なものですよ

事後学習

終了後、事後学習として、ワークシートに2つのことを記入してもらう。①高校生としての視点で、鈴木議員への提言を記入してみよう、②本日の感想

①提言について

・野党は反対反対ばかりなので、もっと建設的な話し合いをして欲しい。

・オリンピックに向け、新国立競技場の形があまり良くないので、もっと和風なイメージで作ってはどうか。

続きを読む

・都内の電車の混雑が半端ではないので、もっと本数を増やすなどの対策を検討して欲しい。

・私立で学ぶ生徒の学費の負担をもっと軽くして欲しい。

・大学の学費が高いが、地域の奨学金などの拡充はできないのか。

※区議の立場では対応が難しいものもあるかと思うが、議員をそれだけ身近に感じられたこその質問が出た。

②感想

・議員と聞くと、もっと年寄りというイメージだったが、若い上に女性でがんばっていることに驚いた。

・若くて話しかけやすかったから、政治に関わる人を身近に感じることができた。若いのにすごく一生懸命活動していることがわかった。

・政治は遠い世界のことのように感じていたし、ポスターは目にしても他人事のように思っていた。少しだけ地域のことを考えようかなという気持ちになりました。

・変わらないと思っていたことが身近に感じられて、自分の力でも地域を変えられるような気持ちになりました。

所感 ・ 振り返り

感想にもあったように、若い女性の議員さんに親しみを感じ、政治が遠い存在であった生徒たちにとって、少しだけ身近に感じる機会となったのではないかと感じた。今まで政治はハードルが高くかけ離れた世界だったと思うが、今回の講話を通じて、自分たちの取り組みによって地域を変えることができるかもしれないということを感じてもらえたようである。

続きを読む

また、女性の立場で、働きながら家事や育児といった家庭での役割を果たすことは大変だということ。その結果として、働き続けることが難しいシステムになっているということを、感じることができたのではないかと思った。我々教員にとっても全く別の世界を垣間見ることができた、素晴らしい講話だったと思う。

協力者の声

質問に来た生徒たちと
質問に来た生徒たちと

地域の教育現場に足を運ぶ場合、小中学生が多いので、高校生と関わるというのは、とても新鮮な経験になりました。高校でのお話は、初めてで緊張もしましたが、私なりに地方政治の身近さを生徒さんたちに伝えることができました。少し難しかったというご意見もいただきましたが、これからもう少しわかりやすく伝えられるよう、がんばりたいと思います。

 

江東区議会議員

鈴木あやこさん


協力先名・URL

実施校・参加者

私立 第一学院高等学校 高萩校(四ツ谷キャンパス)

男子14名、女子12名