老舗定食屋さんでお客様への接客を学ぶ(熊本県・高校生)

交通センターでも老舗の『ファミリーばんざい健康食堂(旧店名:五車堂)』は活気があり、お客様を非常に大切にされている定食屋である。今回の職場観察では接客・裏方(皿洗い、弁当の詰め入れ)などを体験させていただいた。事後学習では生徒たちから、「挨拶や声を出す大切さが学べた」などの声が聞かれ、お客様への心遣いが学べる良い機会になった。

 

職場観察実施日:2013/8/8

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計画・進捗

『ファミリーばんざい健康食堂』には職員もよく足を運んでおり、接客対応やお客様への心遣いは生徒たちにとって非常に勉強になると思い、職場観察についてお願いしたところ、快く引き受けていただいた。今回の職場観察では『接客』をテーマに、お客様への心遣いを学ぶことを目的に就職希望の生徒を中心に参加を募った。また、働くことの厳しさを知り、覚悟を決めてもらうためにも、お店の迷惑にならない程度で少し厳しい体験をさせてほしいとお願いをした。

おろしとんかつ定食
おろしとんかつ定食
お弁当コーナー
お弁当コーナー

事前打合せ ・ 事前学習

事前学習では、『ファミリーばんざい健康食堂』様について学び、質問事項およびプロフィールカードを作成した。当日はお店の状況で急遽、職場観察の時間が14時に変更になった。そのため、待ち時間に学生と社会人の違いについての講義を行い、自分がそこに就職をしたと思って真剣に体験してくることを確認した。

当日の様子

8月8日、挨拶の後、初めは声だしからスタート。生徒たちは戸惑いを見せ、全く声が出せずモジモジしていた。その姿を見かねた店員の方から、「声を出すのはお客様への挨拶だけでなく、快く食事をしてもらうために大切なこと」、「注文の復唱は裏方で働いている社員の人へ注文の確認し、間違いが無いようにするため」と教えていただき、生徒たちもなるほどという顔つきでそこから意識が変わり、徐々に声が出せるようになっていた。

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その後、お店について教えていただいた。挨拶の重要性や商品のこだわり、価格設定の気遣いなど、お客様の目線に立った仕事をする大切さを知り、生徒も「価格等でもこだわっているのか」と驚きの表情を見せていた。

そして、いよいよ仕事に入る。仕事はそれぞれ弁当の詰め入れと皿洗いを行った。初めはなれない手つきで行っていたが、2名とも疑問点があれば積極的に店員の方に質問し、アドバイスを求めていた。その結果、体験終了間際では手つきも良くなり、店員の方とも打ち解け、声も大きく出せるまで成長をしていた。

体験終了後、生徒たちから、「正直大変だったけれど楽しかった」という感想が聞かれた。また、体験中の生徒をビデオ撮影したものを職員で共有したところ、その成長ぶりにみな驚きの表情を見せていた。

弁当のおかず詰め入れ作業
弁当のおかず詰め入れ作業
教えていただいています。
教えていただいています。

皿洗い中
皿洗い中

事後学習

事後学習で、生徒たちは「仕事の厳しさを知った」や「自分たちにも温かく接してくれた」など、勉強になったことや感謝の気持ちが溢れた手紙を書いていた。また、お客さんへの対応の大切さなど学んだことの記事を書き、新聞を作成した。中でも声を出す大切さ、笑顔でお客さんに接する大切さなど、『対お客さんの目線』について心がけられている内容が詰まったものになっていた。

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編集後記では、「マニュアルにはないちょっとした会話はお客さんにまた来てもらえるきっかけ作りになると感じた。自分も日ごろから笑顔で話ができるようになるよう頑張りたい」、「笑顔が印象的で、心から仕事を楽しんでいるように思った」など、体験をしたからこそ「仕事をする」ことについて一歩進んだ学びができた文章が書かれていた。

所感 ・ 振り返り

体験前と体験後で仕事に対する意識が大きく変わったように感じた。目的にしていたお客様への気遣いを学ぶこと、仕事の厳しさを体感することについて十分に学べたのではないかと思う。また、それを教えてもらったわけではなく、店員の方々の姿を見て学んでいたため、『ファミリーばんざい健康食堂』様のお客様への心配りや気遣いには改めて脱帽した。特に、就職を志している生徒たちにとって仕事をする基礎を学べたのではないかと思う。

協力先名

ファミリーばんざい健康食堂

実施校・参加者

私立 第一学院高等学校 養父校(熊本キャンパス) 2・3年次生

男子2名