視覚障害者の方を招いて(大阪府・高校生)

大阪市社会福祉協議会のご協力をいただき、視覚障害のある方からお話を聞きました。どのような場面で不便を感じているか、どのように声を掛けたら良いのかなど、コミュニケーションをテーマにお話いただきました。盲導犬もお連れいただき、実際の歩行や手引きの仕方などを体験し、明日からでもできるコミュニケーションを学びました。

 

しごと講話:2013/11/11

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計画・進捗

福祉の仕事を身近に感じ、コミュニケーション力を身に付けることを目的に、今回は視覚障害者の方にお越しいただきました。当日伺うお話と体験を経て、視覚障害者の方の手引きをしながら駅まで同行する予定です。

事前打合せ ・ 事前学習

10月28日にDVD視聴を交えた事前学習を行いました。DVDの内容は、大阪に住んでいらっしゃる視覚障害のある方、車椅子が必要な方、聾唖の方の生活を取材したものが中心です。生徒はそれぞれ場面を考えながら、どんなことができるのかを考えていきます。11月11日には、視覚障害のある方のお話を聞いて、ボランティア体験を行います。

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事前打ち合わせでは、当日お越しいただく方からのメッセージを共有しました。「目の見えない私たちも、こんなに前向きに楽しく生きている。是非、みんなに元気をあげたいと思っています。」とのことでした。“何かをしてあげたい”。その気持ちはもちろん大切ですが、私たちに少しだけ驕りがあったのかもしれません。

当日の様子

11月11日、社会福祉協議会の方と共に、視覚障害のある2名の方がキャンパスに来てくださいました。また、盲導犬も一緒に連れてきていただきました。目が見えなくなってしまった時のこと、その後の訓練のことをはじめ、普段どんな生活をしているのか、趣味などについてもお話いただきました。

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その後、盲導犬を連れての歩行体験をし、ソナーなどの道具に触れさせていただきました。教室に道を作って実際に手引きをするなど、本当にたくさんのことを学びました。「目が見えなくなった時、本当に怖くて家の中にばかりいた時期がありました。でも、そんな私を外に連れ出してくれたのは友達でした。みなさん、友達を大切にしてください。」生徒に向けてそのようなメッセージをいただきました。また、「目の見えない私たちも、こんなに元気に楽しく生きています。困難に出会った時は、元気な私たちの姿を思い出して欲しい。きっと大丈夫ですよ。」と元気を分けてくれました。生徒たちは真剣に耳を傾けていました。

不便な時などの話を聞きます
不便な時などの話を聞きます
道具類の説明
道具類の説明

手引きの練習
手引きの練習
参加生徒へのメッセージ
参加生徒へのメッセージ

事後学習

授業のまとめとして、ボランティア体験を行いました。視覚障害のある方の手引きをしながら、駅までの道のりを同行します。段差のある場面では声を掛けます。曲がる時はその方向を伝えます。階段の前では、不安にならないように階段があることやあと何段あるかも伝えていきます。

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みんな、思いやりの心を持って真剣に取り組んでいました。「緊張しないでいいですよ。」、「はい、ありがとう。」、「心強かったですよ。」そのような言葉をいただきました。“ありがとう”の言葉をもらったときの嬉しさ、これからも優しさと思いやりをもって生活していきたい、そんな気持ちになってくれたことこそが事後学習です。だから今日は、事後学習のプリントはありません。みんなの心に残ったものを大切に生きていきましょう。

手引きをしながら道を進みます
手引きをしながら道を進みます
階段を気をつけて進みます
階段を気をつけて進みます

所感 ・ 振り返り

「勇気をもって声を掛けていきたい。」、「すごく前向きで驚いた。」、「自動販売機でお茶のボタンを教えてあげたい。」、「盲導犬の訓練士になりたい。」などの声があちらこちらからあがっていました。参加した生徒の心には確かな成長があったように思います。

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その後、ボランティア活動に参加する生徒が増えました。保育園や図書館における絵本の読み聞かせなど、定期的に参加する生徒も出てきました。ボランティア体験で得たものはとても大きく、生徒の成長度の高さを実感するものになりました。

実施校・参加者

私立 第一学院高等学校 養父校(大阪キャンパス)

24名