教科書はどうやって作られるのか ~清水書院~(東京都・高校生)


日頃から目にしている教科書はどのように作られるのか。教科書会社を訪問し、完成までの流れをその目で確認してみようということになった。教科書会社には教科書準拠の資料集や問題集もあり、特に受験生はとても興味がある内容。キャンパス長の知人で、校舎の行事にも足を運んでくださっていた清水書院の方にお願いして、見学をさせていただくことになった。

 

職場観察実施日:2013/10/23

計画・進捗

検定教科書が簡単に作れるものではないということをみんなで確認。教科書会社が作った教科書は、文部科学省の検定を受けて、修正や書き換えが求められる。こうしたいくつかの工程を経て初めて生徒が手にする教科書になるのである。今回の職場観察は、実際に工程を確認できる貴重な機会で、教科書の重要性を再認識する上でも有意義であると考えた。また、一冊の教科書に多くの人が関わり、そこに様々な想いが凝縮されていることを改めて感じる機会にして欲しいと考えた。

事前打合せ ・ 事前学習

10月21日(月)に、担当の営業部営業課係長の小泉さんが来校してくださり、当日の流れについて打ち合わせを行った。当日は、部長さんから、一般的な教科書ができるまでの流れや、詳細な資料なども見せていただけるとのこと。また、準拠した資料や問題集の作成、編集の現場、在庫の管理や発送などについてもお話していただけることを確認した。

生徒には質問シートを配布し、当日までに記入・準備しておくように指導した。

当日の様子

10月23日(水)、清水書院の入り口にて、小泉さんがお出迎えをしてくださった。会議室で部長さんからお話を伺う。検定教科書が出来上がるまでの流れを聞き、検定前の白い表紙の教科書を見た生徒たちは、「これが教科書?」と驚きの声をあげている。また、実際に文部科学省からの訂正・修正が記された資料を見て、その書類の細かさにさらに驚きの表情。

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このような作業を繰り返して教科書が作られるのだと、一冊の教科書ができるまでの大変さを改めて認識したようだ。生徒からは、「どんなことに気をつけているのか」、「この仕事の大変さ、そしてやりがいは」などの質問が出され、丁寧に回答をいただいた。資料集や問題集の作成についても、丁寧な説明を受けた。

その後、編集の現場に移動。パソコンに向かって仕事をしている社員の方たちを見て、様々な苦労があることを窺い知れたようだ。そして、館内の見学が終わり、会議室に戻った生徒たちには問題集のプレゼントが。「これで大学受験に向けてがんばってください」と激励の言葉をいただいて、見学は無事終了した。

会議室にて部長さんから説明を聞きます
会議室にて部長さんから説明を聞きます
編集室にも入れていただきました
編集室にも入れていただきました

事後学習

日頃、気に掛けることがない、当たり前のように存在している教科書。勉強が苦手な生徒にとっては馴染みにくい教科書が、多くの人の想いの結集で出来上がっていることを知れたのはとても良かった。以下、生徒から出された感想の一部です。

・意外と小さな場所で教科書が作られていたことに驚いた。

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・一冊の教科書ができるまでに、かなり多くの労力が費やされていることに感動した。

・たかが教科書と、結構粗末に扱っていたが、作られるまでの苦労を考えたら、粗末にしてはいけないと改めて感じた。

・教科書に落書きしたりしていたが、そんなことをしている場合ではないと思いました。

・もっと自由な発想で、教科書が作られていてもいいのではないかと思った。

・問題集を大切に活用し、受験に向けて勉強しようと強く思いました。

所感 ・ 振り返り

周りの人たちに支えられているという実感に乏しい最近の生徒たち。全てが自分中心に、そして、「ある」ということが当たり前となっている状況の中で、一つのものが作られる過程の見学を通じて、多くの労力や人々の想いが凝縮されていることに気づくことができ、とても素晴らしい体験になった。仕事をするということの根幹に近づくことができた職場見学になったと感じている。

実施校・参加者

私立 第一学院高等学校 高萩校(四ツ谷キャンパス) 3年次生

男子2名、女子3名