下水道ってなんだろう ~熊本市の下水道事情・水質実験~(熊本県・高校生)



職場観察後にしごと講話を行う流れにしたおかげで、生徒の学習がスムーズになり、講話に関する興味・関心が深かった。事前学習のシートも生徒がイメージしやすい設問を心掛けたことで、講話を聞くポイントが掴めたようだ。事後学習では、イメージしたことと実際を比較することで、生徒の理解が進んだようである。

 

しごと講話:2013/11/6

計画・進捗

10月に熊本市の水道の源である健軍水源地に職場観察で訪問した。そのつながりから、熊本市下水道技術センターに講話をお願いする運びとなった。下水道がどのような役割を担っているのか、また、その仕事内容を知るきっかけになってほしいと思い、計画を立てた。

事前打合せ ・ 事前学習

事前学習では、下水道のイメージや役割を考えてみた。ワークシートを進めているうちに、生徒たちは自分たちの住む熊本市の水道事情に興味を持ち始めたようだ。

当日の様子

11月6日13時より、しごと講話を開始。熊本市下水道技術センターからお越しになったお二人より、始めに仕事内容について説明していただく。その後、下水道の仕組みや役割、熊本市の下水道についてのDVDを視聴した。大事だと思うポイントを熱心に書き留める生徒たちの姿が見られた。

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次に、DVDを基に、熊本市の水道事情についてお話していただいた。「熊本市の住民が1日平均どのくらいの水を使っているのか」という問いに、生徒たちは「30リットル」、「100リットル」、「200リットル」など答えていたが、実際は230リットルでその多さに驚いたようだ。水の使用量は近隣の福岡県よりも多く、その理由が「熊本は水が豊富である」という住民の意識によるものというお話に驚きの表情を浮かべていた。

また、熊本市の下水道の普及率が100%ではないことにつして、驚きと自分が不自由なく生活できていることへの感謝の気持ちを表す生徒もいた。現在処理されている下水は20年後に熊本市で使用するもので、中には使えず汚泥として残るものもあることに関心を寄せていた。この汚泥は1日80トンも排出されていて、今年度より有効活用するために炭化汚泥燃料として生まれ変わらせ、火力発電で使用している。下水道でもリサイクルが行われていることを知らなかった生徒たちはしっかりメモを取っていた。

そして、下水道処理センターで汲んできた水を用いて水質実験を行った。沈殿地の水は強い臭気だったが、講師の方とともに楽しく実験をする様子が見られた。最後に講師の方が、「熊本市は地下水100%を行っているけれども、この水も無限ではない。下水道の整備は生活環境の改善にも繋がる。しかし、下水道に流してはいけないものを流してしまうと、将来の自分たちがきちんとした形で使えなくなってしまう。なので、どの水も無駄遣いしないで使ってほしい」とのメッセージには、相槌を打ち感動を受けている様子であった。

熊本市の下水道事情について
熊本市の下水道事情について
下水道の役割、仕組みに関するDVDを視聴
下水道の役割、仕組みに関するDVDを視聴

水質実験
水質実験
話を聞きながら熱心にメモを取っています
話を聞きながら熱心にメモを取っています

事後学習

事後学習の様子
事後学習の様子

講話終了後、ワークシートを用いて事後学習を行った。イメージしていたことと実際を比較して、下水道の役割やどのように生活に役立っているのかを考え、今回の講話で印象に残っている点などをまとめた。

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生徒からは、「今私たちが使っている下水が20年前のものとは驚きだった」「下水道普及率が86%ということに驚いた。自分は恵まれていると思った」などの声が聞かれた。

また、自分が感銘を受けた点を中心に、感想とお礼の手紙を書いた。感想では、「私たちが不自由なく生活できているのは下水道のおかげだということが分かった。汚いというイメージしかなかった下水道であるが、講話がすごく楽しく、考え方が変わった」と書く生徒もいた。


所感 ・ 振り返り

参加した生徒たちは、日常生活に欠かすことができない下水道の詳細な話を聞くにつれて、目を輝かせ、食い入るように耳を傾けていました。事前学習の段階でもっと生徒が興味・関心を持てる内容を準備すれば、さらに有意義な時間になったのではと感じた。

実施校・参加者

私立 第一学院高等学校 養父校(熊本キャンパス) 1~3年次生

男子4名、女子11名