社会の「現場」を見て、自己の将来像をつかもう(福岡県・高校生)



今回、主な地方局の一つである福岡放送局FBSで職場観察をさせていただきました。毎日家庭で何気なく観ているテレビ番組の制作の裏側には、画面からでは分かりえない社員・スタッフの方々の努力がありました。FBSについて事前に学習して臨んだ生徒たちでしたが、その制作「現場」の雰囲気に、学校での学習だけでは想像し得なかった感動を覚えました。

続きを読む

華々しく番組を進行しているアナウンサーや司会の方だけではなく、編集・美術・メイクなどの裏方、番組を観ているだけではわからない営業、原稿を作る記者や取材に同行するカメラマンなど、多種多様な職種を詳しく知ることができました。社会の「現場」というものを垣間見て、生徒たちは自分の将来像がより具体的に掴めるようになったようです。

 

職場観察実施日:2013/9/12

計画・進捗

「テレビ局で働く」。この言葉の響きに、生徒たちは皆「華々しい」「きらきらしている」というイメージを抱いていました。同時に、「忙しそう」「時間に追われて大変」というイメージもあったようです。また、民間企業ではありますが、総合的に「会社」の事務的なイメージは薄いという印象のようです。

続きを読む

テレビ局の中にある「会社」としての業務を知りたい、各種番組制作の「裏側」と「実態」を知りたいという二つの思いから、今回の職場観察をお願いするに至りました。FBSのご担当の方は普段、就職活動中の大学生や一般企業の社員、社会科見学の方々を対象に講話を行っているとのことで、快く引き受けてくださいました。

事前打合せ ・ 事前学習

9月2日、電話にて担当の方と事前に打ち合わせを行いました。

9月12日、事前学習を実施。今回の職場観察における各自の目標を決め、見学先の会社についてインターネットで検索して情報を集め、どのような番組を制作・放送しているのかを確認しました。生徒の中には、毎週欠かさず視聴している番組があったり、注目しているアナウンサーがいたりするようです。

続きを読む

その点も踏まえて、当日質問したい内容を決めました。未知の世界であるということ、将来はマスコミ関係の仕事に就きたいという生徒もいたことから、疑問・質問は湧き出るように挙げられました。

当日の様子

9月12日、FBSに到着。ガラス張りの掲示スペースには、おなじみの番組の巨大ポスターが。その隣には、今話題の映画のポスターも貼られています。ロビーのスタイリッシュな雰囲気に、生徒たちは少し緊張しているようです。思い描いていた「テレビ局」の「会社」的な雰囲気に戸惑いを感じていたようで、担当の方が笑顔で迎えてくださった時に初めて生徒たちから笑みがこぼれました。

続きを読む

9階の会議室に着き、自己紹介を終え、まず日本にあるテレビ局について詳しいご説明をしていただきました。聞き慣れない専門用語や、業界内での各局の呼び方、ニュース番組制作の過程など、ご自身で編集・制作されたというDVDの映像を交えて、分かりやすく丁寧にご説明をいただきました。

その後、ニュース番組のリハーサル現場や電波受信の大きな機械があるニュースセンターを案内していただき、番組のディレクターがモニターを確認しながら画面を切り替えたり、現場に指示を出したりする裏部屋を見せていただきました。まさにテレビ局という場所に、生徒たちは釘付けになっていました。生放送の収録現場を見せていただいた時には、いつも画面越しに観ているアナウンサーの方や大きなセットを目の前にして、生徒たちは感動の声をぐっと飲み込みつつ気持ちは高揚していたようです。最後に、記者の方のお仕事について、実体験とともお話をいただきました。

最後に、ロビーにて質疑応答の時間をいただきました。記者のお仕事は本当にやりがいのあるものだと感じました。取材の裏話も少し教えていただきました。
最後に、ロビーにて質疑応答の時間をいただきました。記者のお仕事は本当にやりがいのあるものだと感じました。取材の裏話も少し教えていただきました。
9階会議室にてご説明いただきました。テレビ局の仕事についての映像は担当の方が作られたそうです。
9階会議室にてご説明いただきました。テレビ局の仕事についての映像は担当の方が作られたそうです。

生徒にとって教えていただくこと全てが新鮮でした。全員集中してお話に耳を傾けていました。
生徒にとって教えていただくこと全てが新鮮でした。全員集中してお話に耳を傾けていました。
ニュースセンターの横に、アナウンサーの方が声だけを収録するための部屋がありました。
ニュースセンターの横に、アナウンサーの方が声だけを収録するための部屋がありました。

事後学習

9月18日、事後学習を行いました。事前学習のワークシートや当日いただいた資料、書きとめたメモなどを見ながら、学んだことや感じたことをまとめました。何もかもが新鮮な体験で、最初は見たことや物がすごかったという感想しか出てこなかった生徒たちでしたが、そのうち「仕事をするとはどういうことだと思ったか」「社会で活躍していくにはどういう力をつけておくべきか」という部分を考えるようになり、FBSの社員の方々の姿を思い出しながら、今後に活かしたいと思ったことを言葉として出せるようになりました。

続きを読む

「臨機応変な対応ができる力を身に付けたい」「社会に出れば危険を伴う仕事があることもわかったが、信念を持って仕事に取り組んでいる社会人の方々は本当にかっこよかった」「難しいお話もあったけれど、もっと自分の世界だけではなく、海外など外の世界に視野を広げることが大事だと感じた」「これからは今世間で何が起こっているのかを知るためにも、できるだけ新聞を読んでいきたい」というような、職場見学前には出てこなかった声まで聞くことができました。未知の世界「テレビ局」の職場観察を通じて、「働くこと」「社会に出るということ」に関心が高まったようです。

所感 ・ 振り返り

福岡放送局は、地方局の中でも大きな日本テレビ系列の放送局です。「すべては視聴者とともに」を信条に掲げ、ニュース・番組制作・事業などの各方面において、地域に密着した活動を展開されています。今回の職場見学では、生徒たちが知らなかった世界を提示していただき、世界の広さを感じることができました。

続きを読む

今回感じたことは、将来を考える上で必ず手助けになるであろうと確信しています。1年生が2名参加していたこともあり、担当の方には生徒たちが理解できる言葉を選びながらご説明していただき、お心遣いを感じ取ることもできました。また、事前学習ではその会社のことだけではなく、業界全体や関連業界にも目を向け、広く学び準備しておくことが今後必要であると感じました。

協力者 ・ 生徒の声

<生徒の声>

自分が将来どのような仕事をしているのかまだわかりませんが、どんな仕事においても楽しみを見出したり、プロ意識を持って働くことは本当に大切だと思いました。実際に働いている方々の姿を見て、今まで以上に自分が働くときのことをイメージできるようになりました。

協力先名・URL

株式会社 福岡放送

http://www.fbs.co.jp/

実施校・参加者

私立 第一学院高等学校 養父校(博多キャンパス) 1・3年次生

男子2名(3年次生) 女子2名(1年次生)