秋田元気ムラ活動は、秋田県が農山村の活性化を目標に、元気ムラ応援団を募集して、各地域の活動を応援するものです。第一学院高等学校 秋田キャンパスもこの応援団に登録して地域の活性化に貢献しようと、元気ムラ事務局に相談をしました。中南秋田郡五城目町役場まちづくり課から、「是非地域活動を一緒にしてみませんか」というご提案をいただきました。
ボランティア実施日：2013/8/28
計画・進捗
五城目町は秋田県の中央部に位置し、山も川も田んぼもある人情あふれるところです。かつては人口2万人を数えましたが、現在は1万人を切り、秋田県内で高齢者率の高い地域第3位になります。若い人が町を出て行き、高齢者だけの世帯が増えています。この町の中で山沿いにある湯ノ又町内は、棚田で有名な稲作の盛んな集落です。今回、是非若い人たちとの交流を通して集落を元気にしたいというご提案があり、一緒に活動を行うことになりました。
事前打合せ ・ 事前学習
五城目町役場の澤田 石さんとの事前打ち合わせでは、湯ノ又町内会の写真や秋田元気ムラサイトの掲載内容を見ながら、高校生にできることを話し合いました。
最初なのでまずは一緒にできる作業がいいであろうということになり、町内の入り口にある花壇の整備をすることになりました。地域の町内会老人クラブの方々も参加してくださることになり、その日、湯ノ又町内は賑やかになりそうです。生徒に希望をとったところ、2年生6名から参加したいという声があがり、8月28日に実施することになりました。
当日の様子
8月28日、朝9時に学校を出発。約1時間で湯ノ又町内に着きました。気持ちのいいさわやかな風が駆け抜ける花壇の前で、湯ノ又町内の方々がお出迎えをしてくださいました。老人クラブの方々は平均年齢が70歳を超えていて、生徒たちの祖父母と同じくらいですが、みなさんとてもお元気です。自己紹介の後、作業に取り掛かりました。
地域の方々はこの道のベテランです。手際よく雑草が取り払われ、木の枝葉はすっきりしていきます。生徒たちはアドバイスを聞きながら、作業を進めていきます。みんなのいい笑顔と素敵な風景がマッチしていました。約1時間の作業で、湯ノ又町内を訪れる方々をはっとさせるくらい素晴らしい花壇になりました。作業後、昼食交流会場の公民館に向かう途中で横山神社を訪れました。90段の石段を登ったところにそれはあり、大きな切り株や鬱蒼と茂った杉に覆われ、強い日差しもここでは心地よい按配でした。老人クラブの方々と一緒にお参りをして鐘をならし、まるでこの町内の住人になったかのような錯覚を覚える瞬間でした。昼食は会話をしながら美味しいお弁当をいただきました。窓からは素晴らしい景色が広がり、まるで映画のワンシーンのようです。一息ついた後、地元の昔話語りの名人、澤田 石清子さんから2つお話をいただきました。ゆっくりとしたやさしい語り口に、生徒も地域の方々も包み込まれていきました。
事後学習
後日、秋田県内の新聞「秋田魁新聞」に元気ムラ活動の記事が掲載されました。掲載日がちょうど事後学習の日で、改めて地元の人の優しさ、自然の豊かさを噛み締めました。また、次も参加したいという声がありました。稲刈りになるか、雪寄せになるかはわかりませんが、湯ノ又町内の元気なご年配の方々をますます元気にさせたいという声が多かったことは間違いありません。
所感 ・ 振り返り
元気ムラ活動は全国的にも注目される地域おこしの活動です。高校生が参加することは稀で、地域の方々も当初はどう接していいのかがよくわからず不安もあったようですが、8月の青い空がそうさせたのか、おいしい空気がそうさせたのか、活動開始直後には、「孫」と「祖母」のような交流が始まっていました。
まだ秋田にはこのように細やかな優しい人情があることを、生徒たちは実感したようです。また、地域の人からは「こんなに一生懸命に取り組んでくれてありがとう」と感謝の言葉があり、穏やかに活動を終えることができました。もっと長時間で手の込んだことをする企画もありましたが、この段階を踏んで良かったと思います。次はどのように貢献するか、五城目町の方々とまた検討していきます。できることは少なくないはずです。
実施校・参加者
私立 第一学院高等学校 高萩校（秋田キャンパス） 2年次生
男子4名、女子2名