クリーニング店の職人技術と洗濯機械を見せていただきました(埼玉県・高校生)




大宮市役所から少し離れた通り沿いに、地域密着型のクリーニング店『わがクリーニング(株式会社ワガクリーナース)』があります。社長さんは大宮祭りで神輿を担ぐなど地域愛に溢れている方です。同じ祭りに参加した生徒の見学希望にご理解を示してくださり、日頃なかなか見られないクリーニングの作業場を見せていただく機会を得ることができました。

 

職場観察実施日:2013/9/28

計画・進捗

8月始めよりわがクリーニングの方と話し合い、訪問計画を立てました。クリーニングの作業場はとても気温が高く暑いので、2学期の始業式以降で、衣替え少し手前の9月末が実施時期に良いということになりました。衣替えに入ると着なくなった夏物のクリーニング依頼が一気に増えて忙しくなり、見学に十分対応できないとのことです。

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また、事前学習に適した教材や資料をお聞きしたところ、厚生労働省のサイトが分かり易く、クリーニング業についての定義および法的説明が掲載されていると教えていただきました。

事前打合せ ・ 事前学習

実施日は9月28日に決定し、訪問時間は作業場の機械が稼動して各従業員の方が持ち場につく、午前10時半頃にお伺いすることになりました。クリーニング業は前日夜までに受け付けた洗濯衣類を午前に洗濯・乾燥・プレスして仕上げ、午後にお客様へお渡し、または配達できるようにするそうです。

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9月18日、埼玉キャンパスの教室にて、事前学習を行いました。厚生労働省のサイトで国が開業を認めるクリーニング業について学び、一般的な洗濯の種類(水洗い、ドライ)の違いを調べ、当日現場で聞いてみたい質問を考えてワークシートにまとめました。質問内容は、事前に持参してご覧いただきました。

当日の様子

9月28日、埼玉キャンパスに10時に集合し、訪問の際のマナーや質問の順番、役割を再度確認して出発しました。クリーニング店では社長さんと総務の方が出迎えてくださいました。まずは社長さんより、一連のクリーニング業の流れを説明していただきます。お預かりした洗濯衣類を分類(綿・化繊・ウール・シルク・シミ有り・シミ無し・色物・水・ドライ等)し、大型の洗濯機械で大量に洗濯します。

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水洗濯と石油洗濯があり、特に水で縮むウールやシルクは石油を使うドライクリーニングであり、値段が高い石油を使用し循環しながら綺麗にしていく様子はとても不思議な印象を受けました。ボタンは全て手作業でアルミで包み、傷がつかないように丁寧に扱っていました。大型乾燥機ではハンガーにかけた状態で大量に乾燥させ、プレス(アイロン掛け)は人型の機械にスーツやYシャツを着せて熱で膨らませて立体的にシワを取ります。襟や袖口、ズボンの折り目は細長い蒸気の出る板で挟んで平らにしていきます。社長さんの提案で、社長さん所有の洗ったYシャツのプレス体験をさせていただき、皆嬉しそうに操作をしました。最後は総務の方が生徒たちの質問に丁寧に答えてくれました。

ボタンは傷がつかないよう、一つずつ丁寧にアルミで包みます。
ボタンは傷がつかないよう、一つずつ丁寧にアルミで包みます。
立体的にスチームでシワを伸ばします。
立体的にスチームでシワを伸ばします。

プレス機械はかなりの熱さと圧力で、手を挟むと大変です。
プレス機械はかなりの熱さと圧力で、手を挟むと大変です。
Yシャツ用のプレス機械で体験。
Yシャツ用のプレス機械で体験。

総務の方が質問に丁寧に答えてくださいました。
総務の方が質問に丁寧に答えてくださいました。

事後学習

事後学習で作成した感謝のメッセージ。
事後学習で作成した感謝のメッセージ。

9月28日、見学を終えて埼玉キャンパスに戻り、事後学習を行いました。学んだ内容のまとめと、感謝のメッセージの作成です。

質問で答えていただいた内容は次の通りです。普通のサラリーマンの方に比べると朝がとても早い分、夕方は早く帰れるそうです。

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今までで難しい洗濯は、何十年も収納されていた着物で年数を経た汚れはとても落ちにくかったこと、火事で茶色に変色した衣類を扱った時だそうです。各機能を備えた大型機械はとても高価で扱うには資格が要るとのことで、職人技が必要とされる高度な職業であることを実感しました。

生徒たちからは、「型崩れしないように作業するのは大変だと思った」「機械の操作が興味深かったです」「石油で汚れが落ちるのが不思議で面白かったです」「家庭では洗濯が難しい衣類を綺麗にしてお客様に渡せるのは気持ち良いですよね」「作業場が洗濯の良い香りで爽やかでした」「プレス箇所を間違えたら直すのが大変そう」「お客様が諦めていたシミが取れたら嬉しいですよね」「日常では体験できないことをさせていただいて楽しく学べました」との声が挙がりました。メッセージは集合写真と共に一枚にまとめ、10月9日、社長さんへのお礼と共にお渡したところ、喜んでいただけました。


所感 ・ 振り返り

一番お忙しい時間帯にも関わらず、「ぜひ洗濯作業を一通り見て欲しい」とのことで、わがグリーニングの方々はとても親切に温かく迎えてくださって大変嬉しかったです。社長さんや現場の方々の洗濯に対する知識や思い入れの深さ、熟練された技術に感動しました。

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一通りの作業を見るだけでも日頃味わえない驚きがあるのに、一人ひとり体験までさせていただき感謝しています。ここで学んだ内容や、新たな気づきは今後の生活や社会に出る上で大いに活かせると思います。わがクリーニングの皆さん、ありがとうございました。

訪問先の声

若い皆さんが見に来てくれて、感謝のメッセージもありがとうございます。学んだ事は今後の生活や進路に役立ててください。

生徒の声

日頃見ることの出来ない見学及び体験までさせていただいて、大変嬉しく感動しました。丁寧な作業は職人の技を感じました。

主催団体・参加者

私立 第一学院高等学校 高萩校(埼玉キャンパス) 1・2年次生

男子3名、引率1名