企業家精神に学ぶ(大阪府・高校生)


大阪商工会議所人材開発部(大阪企業家ミュージアム)のご協力のもと、「企業家精神に学ぶ」と題したキャリア授業を行いました。大阪に縁が深い企業家の方々のエピソードを交え、その創業当時の想いや商品製作のきっかけなどを学びます。企業はただ物を作って売るという行為をしているだけではないのです。その商品に込められた想い、会社創業の理念があります。それを知ることで、働くことの意味を考えていきます。

 

しごと講話:2013/10/11

計画・進捗

昨年度も大阪商工会議所人材開発部(大阪企業家ミュージアム)にキャリア授業を行っていただいています。今回も1年生・2年生を対象に、様々な企業家の方の創業時の想いや、商品開発のエピソードなどを交えた話を聞きながらワークシートを作成していきます。キャンパスにおける将来設計指導でも、働くことの意義を考えるための授業を行ってきました。

事前打合せ ・ 事前学習

商工会議所の担当者との打合せは、キャンパス責任者が担当しました。事前学習としては、将来設計の授業を通じて働くことの意義を考えていきました。これまでもキャリア教育の一環として、職業体験や職場見学などを行ってきましたが、今回は誰もが知っている大阪に縁が深い企業にまつわる話が中心になります。豆知識としても楽しめる内容です。これからの人生に役立つ教訓が見つけられたら、それも嬉しいことです。

当日の様子

10月11日、クイズやスライド、DVDを使って皆で考えながら授業は進んでいきます。チキンラーメンやカップヌードルで有名な日清食品の安藤百福さんのエピソード、江崎グリコのキャラメル開発のエピソード、阪急電車や阪急百貨店のことなど、みんなが良く知っている企業の話題です。しかも大阪に縁が深い(創業者の出身地や本社が大阪など)企業なので生徒も聞きやすい話題です。

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一つエピソードを紹介します。江崎グリコのキャッチコピーは、「おいしさと健康」です。ある日、創業者の江崎さんは、牡蠣の佃煮を作っている現場を通りかかりました。そこでは牡蠣の煮汁がそのまま捨てられており、江崎さんは「その煮汁にも栄養が含まれているのではないだろうか」と考えたとのこと。さっそく江崎さんは煮汁をもらって帰り、煮汁の成分を調べてもらいました。江崎さんの考えた通り、やはり煮汁には良質なグリコーゲン(糖分)が含まれていました。時は戦後の復興の時代です。未来を背負う子供たちが、美味しく食べて健康に育って欲しい、そんな願いを込めてグリコーゲンを含んだグリコのキャラメルは作られました。今でも「おいしさと健康」とうたうグリコのお菓子には、そんな願いがずっと込められているとのことです。

参加した生徒たちは真剣に聞き入っていました。「人を幸せにしたい・人を喜ばせたい、そんな想いが企業を作り、商品を作っていくのです。明日の企業家はあなたかもしれませんね」。そんな講師の投げ掛けも、今日参加した生徒には身近なエールに聞こえたようです。

インタビュー風景
インタビュー風景
授業風景①
授業風景①

授業風景②
授業風景②

事後学習 ・ 成果発表会

ワークシートを作成していきます。「想い」を知って、働くことの意義を考えていく。そこにあるのは「人を喜ばせたいという想い」。お金儲けをするためだけに企業があるのではなく、人を幸せにするために企業があるのです。どんなに大きな企業でも始まりがあります。最初から設備や技術があってのことではありません。どんなことでも、始まりが大切なことで「人を幸せにしたという想い」を参加した生徒は学んでくれました。

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興味を持った生徒は、実際に企業家ミュージアムまでお話を聞きに行きました。ミュージアムの見学と多くのエピソードを知ることにより、一層の意欲喚起になったようです。イベント関連の会社を作りたい、美容師になって自分の店を持ちたい、そんな感想も聞かれました。きっと明日の企業家が誕生することでしょう。

所感 ・ 振り返り

豆知識も含めて楽しい話が聞けたようです。キャリア授業の一貫として行いましたが、難しく考えず、夢が身近にを感じられるものになったと認識しています。その後もミュージアムに足を運んで見学をしたり、商工会議所の方に詳しい話を聞く生徒が出てきたりと、とても良い意欲喚起の機会になりました。実際に足を運んだ生徒は、商工会議所の仕事についてもインタビューをするなど、より働くことの意味を考える機会を手にできました。

主催団体・参加者

私立 第一学院高等学校 養父校(大阪キャンパス) 1・2年次生

23名