千葉中央博物館職場見学(千葉県・高校生)


身近な所にある博物館、そこで働いている学芸員さんのお仕事についてお聞きしました。専門的な内容から、研究者への道程まで、幅広くお話を伺いました。

 

職場観察実施日:2013/8/28

計画・進捗

校舎の近くに博物館があるのですが、そのお仕事となるとなかなか見る機会がありません。今回、千葉中央博物館教育普及課の一場さんの計らいで、研究員になるまでの道程、博物館の仕事等についてお話を伺う機会を頂きました。学問を仕事にするということはどういうことなのかについて考察することを目的としました。

事前打合せ ・ 事前学習

8月8日(木)、博物館学習計画書を作成し、一場さんと打ち合わせをしました。職場観察以外に、今回お話を頂く専門家の方から藻類展示室について解説していただけることになりました。8月26日(月)に、お話をいただく藻類、花粉分析学について、事前学習をしました。また、博物館見学の際の挨拶やマナー、質問事項について確認をしました。

当日の様子

8月28日(水)、宮田先生(藻類学)・奥田先生(花粉分析学)のお二人にお話を伺いました。①研究するお仕事に就くにはどのような準備が必要ですか?宮田先生「研究する仕事に就くには、①興味を持つこと、②本を読むこと、③語学のスキルを上げることですね。また孤独に耐える力も必要で、気晴らしにいろいろな友人を持つことも長く研究を続けるためには必要だと思います。」奥田先生「大学院で博士号を取得すること。私も28歳まで大学院で勉強していました。学生時代、ニュージーランドで花粉分析学の研究をしていましたが、それが私の原点です。花粉分析自体はとても地味な作業ですが、単調なことをコツコツ続けられることも大切です。」

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②生物の最先端の研究にはどのようなものがありますか?「原核生物から真核生物に移行する過程が解明できたら、ノーベル賞を取れます。また海底のマントル領域にもかなりの原核生物がいることが最近明らかになりました。是非、若い人たちが研究者になって、これからの生物学を支えてください。生物が苦手な人でも、本日お話した細胞内共生進化と生物多様性という言葉だけは覚えておいてください。」

③博物館のお仕事はどのようなものがありますか?「展示している以外に、博物館のバックヤードにいろいろな物が保管されています。資料を取得、保存、研究、伝達、展示などが仕事です。」最先端の研究内容から、職業としての研究内容まで、とても深い内容でした。

宮田先生による展示解説
宮田先生による展示解説
学芸員になるには(宮田先生)
学芸員になるには(宮田先生)

学芸員になるには(奥田先生)
学芸員になるには(奥田先生)

事後学習

8月28日(水)、講師の方にお礼を言い、感想や学んだことをワークシートに記入しました。今回の内容を博物館教育の参考にしたいとのことで、一場さんにワークシートのコピーをお渡ししました。今後は地域のランドマークの一つとしてまとめ、イラスト等を作成し、近いうちに冊子化して送る予定です。

所感 ・ 振り返り

最先端のお話を聞くことができて、とても面白かったという感想が多かったです。また博物館の仕事は物の収集、研究、保存、分類、それらを教育普及するなど多岐に渡ることがわかりました。学芸員になるためにはいろいろなことに興味を持ち、勉強をし続けなければならないことを学びました。

協力者 ・ 生徒の声

<生徒の声>

生命の誕生自体、まだまだ謎に包まれていることがわかりました。学校の教科書もまだ未完成だと思うと面白かったです。研究者になるには興味を持って、粘り強く取り組むことが大切なのですね。

実施校・参加者

私立 第一学院高等学校 高萩校(千葉キャンパス) 1~3年次生

男子12名、女子2名