近所のお弁当屋さんで職場観察(東京都・高校生)


職員や生徒が利用する近所のお弁当屋さん。オフィスも多い麹町で、毎日、行列ができています。おいしくてリーズナブルなお弁当はどのように作られているのかを見学させてもらうことで、繁盛店の秘密に迫ります。また、製造・販売では流通も関わるため、その経済の流れを垣間見ることも、この職場観察の目的の一つになります。

 

職場観察実施日:2013/8/2

計画・進捗

訪問先は、「お膳や」というお弁当屋さんです。食は、人間が生きていく上でとても大切です。美味しいということはとても重要な要素ですが、それ以外に、栄養バランスや安全性というのも重要な要素です。更には、それに見合う価格設定も重要です。お昼ご飯にどれだけ出資をするかは、個人によって大きく違ってくると思います。これは、購入者の立場からの視点です。

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一方、販売する側に立って考えれば、購入者のニーズを満たすことも大切ですが、儲けが発生しないと商売にはなりません。そのためには、食材の仕入れなどの販売に関わるコストを最小に、しかしながら美味しいお弁当を作ることが求められます。日頃、購入者(消費者)としての立場に立っていることが多い高校生に、販売者(生産者)としての立場を体験してもらう機会となればと考え、今回、身近なお弁当屋さんでの職場観察を実施しました。

事前打合せ ・ 事前学習

職員がお弁当を購入に行った際(早めの空いている時間)に、今回の企画をお話しする。店長は、快く引き受けてくれて8月2日の実施が決定。今回の参加希望者は、経済に興味がある2年生2名。事前学習では、生徒が持っているイメージとして、「美味しいお弁当を作る」とか、「ボリュームある弁当にするにはどうするか」など、やはり購入者としての視点が多く語られた。そんな彼らが、実際に仕事を見て感じるのは、果たしてどんなことなのか。

当日の様子

8月2日、お弁当屋さんに到着。いざ調理場へ。従業員の方たちが、お弁当の入れ物にご飯やおかずを入れていくのを見て、その手際の良さに感動。お弁当を売り場に出して陳列。今日のいち押しメニューや、季節ごとに変わるおかずの内容について、その陳列場所や見せ方にも工夫をされていることに、奥深さを感じたようです。

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こちらで販売されているお弁当は、価格が400円台から600円と狭い範囲で設定されています。この価格設定も、麹町という地域ならではで、日中は会社員がターゲット。ただし、最近は高価な600円のものが売れるということで、「経済状況を反映しているのかな」という店長のお話に、世の中の動きに敏感でないと経営が成り立たないのだということを改めて感じた様子でした。経営者、そして、販売する側の視点に立った職場観察ができたのではないかと思います。

お弁当がきれいに陳列されました
お弁当がきれいに陳列されました
店長と一緒に。「お疲れ様でした」
店長と一緒に。「お疲れ様でした」

事後学習

終了後、お弁当を購入し校舎に戻り、そのお弁当を食べながら本日の観察について話をしました。以下、生徒の感想の一部抜粋です。・調理場で調理をする人、それをパック詰めする人、そして、それを販売する人。それぞれの想いの詰まったお弁当であることを感じた。

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・小さなお店だけれど、そこで働く人たちのチームワークの良さが、物を売る仕事としてとても大切だと思った。
・価格にも気をつけないと、儲けにつながらない。
・ただ販売しているだけでなく、お客さんに対して色々と気遣いをしていた。本当に買ってくれてありがとうという気持ちが大切だ。
・いろいろと研究していないと、お弁当屋さんもできないなと感じた。(価格設定、仕入れ、販売方法、味付け、栄養バランスなど)このように話をしながら生徒の感想を引き出すことも、事後学習の一つの方法だと感じました。

所感 ・ 振り返り

小売店においても経済循環が繰り返されていることを知ることが出来たのではないかと思います。大企業を見るよりも、経済を知る上では貴重な経験になったのではないかと思います。身近なお店であったということも、生徒とってとても興味深く、新鮮に感じることが出来たのではないかと思います。

実施校・参加者

私立 第一学院高等学校 高萩校(四ツ谷キャンパス)

男子2名