NPO法人ツキネコ北海道の吉井美穂子様をお招きし、講話をして頂きました。最初は猫の保護活動に全く興味の無かった生徒からも、実施後の事後学習では猫の保護活動に興味が湧いたという感想が多く聞かれました。終了後、ツキネコ北海道のボランティアに参加をしたいと自ら申し出た生徒もいました。
しごと講話：2013/7/10
計画・進捗
今回の講話を行ったのは、生徒たちに「地域の為に尽力している、熱い大人の背中」を見せたいと考えたことがきっかけでした。そこでNPO法人ツキネコ代表の吉井様へ講話をして頂けないかという打診を5月7日に行いました。動物＝可愛いというだけの抽象的なイメージではなく、人間と同じ生き物であることを知り、一つひとつの命を大切にする慈愛の気持ちを養うことを目的としました。また、野良猫や行き場の無い猫への保護活動の実態や、そこに懸ける情熱や想いを、生徒たちに伝えたいという考えもありました。
事前打合せ ・ 事前学習
5月13日、吉井代表と打ち合わせを行いました。吉井代表も、もっと自分たちの活動を発信していきたいと感じていて、講話実施を快諾して頂きました。打ち合わせにて、実際に殺処分されている猫や飼育放棄された猫がどれくらい道内にはいるのかなど、踏み込んだ内容を話ししていただくか判断が難しかったのですが、なぜ保護活動を行っているのかを伝えるためには、現状を伝える必要があると判断し、ありのままを話していただくことになりました。
また、事前学習では、出席する生徒たちに猫の保護活動について、どれくらい興味があるのかというヒアリングを行いました。この時点では「現在あまり興味はない」「今まで考えたことがなかった」という回答が多数見受けられました。
当日の様子
7月10日、13時から20名の生徒が講話に参加しました。吉井代表が猫の保護活動を始めるきっかけになった、飼育放棄された猫たちの話から講話は始まりました。吉井代表が撮影した飼育放棄現場の映像や、その劣悪な環境に置かれた猫たちの映像から、目を背けてしまう生徒もいました。その上で吉井代表から、NPOツキネコ北海道の保護活動内容の話をして頂きました。
保護活動内容の話が進むにつれて、目を背けていた生徒も徐々に前を向き、吉井代表の話を食い入るように聞いていました。終わった後「最初は楽しい・可愛い猫の話と思っていたけれど、保護の対象になる猫たちがこんなに居るとは知らなかった。」「正直、話を聞いていて、猫たちに感情移入をしてしまった。泣きそうになった。」「こんな風に、猫の保護活動を一生懸命に行っている方がいることに驚き、とてもかっこいいと思った。」という声をたくさん聞く事が出来ました。
事後学習
講話を受けた後に、猫の保護活動についてどのような受け止め方をしたかの感想文を書きました。「正直、こんなに重たい話だとは思わなかった。でも、受け止めなくてはならない現状だと思った。」「猫カフェはただのビジネスというイメージが強かったけれど、猫カフェは保護活動の一つで、新しい飼い主さんへの譲渡のためだということに驚いた。考え方を改められた。」「代表の吉井様の話を聞いて、自分もボランティアとして参加し、困っている猫を助けたいと思った。」などの感想がありました。
その中で、実際に自ら行動を起こし、吉井代表にコンタクトを取り、親子でNPOツキネコ北海道のボランティア活動に参加するなど積極的に動く姿も見られました。
所感 ・ 振り返り
明るく、楽しい話題がある一方で、今回は厳しく重たい現実を突きつけられるような授業だったと思います。打ち合わせ段階から、どこまで現実的な話をするのかということが焦点になりましたが、ありのままの内容・吉井代表の熱い気持ちをお話を頂く事が一番必要なことだと判断しました。
今回講話の実施につながったのは、吉井代表の自分たちが行っている団体の活動を知って欲しいという想いと、吉井代表のように地域への活動に尽力をしている熱い姿を伝えたいと考えるという私たちとの想いが一致したことからです。今後も、相手の想いと自分たちの想いから、お互いを高め、支え合う関係を築くかたちにしていきたい。
協力者 ・ 生徒の声
＜生徒の声＞
とても内容の濃い時間になりました。人間は自分たちのエゴで環境や生き物を振り回していると感じました。ペットは気軽に飼えるけれど、実際に買う時には軽い気持ちで飼うことは絶対にしてはいけないと思いました。
協力先名・URL
NPO ツキネコ北海道http://tsukineko.net/
実施校・参加者
私立 第一学院高等学校 高萩校（札幌キャンパス） １～3年次生
男子10名、女子10名