「とっておきの音楽祭」~音楽を通して障害のある方と触れ合う~(宮城県・高校生)



宮城県内外から今年は321団体が出演し、心のバリアフリーを目指す屋外の音楽祭『とっておきの音楽祭』。日本最大規模であり、音楽のジャンルもバリアフリーです。『とっておき』とは、一人ひとりがかけがいのない存在であり、音楽の力であらゆる個性が輝いてほしいという強い願いが込められています。合い言葉は「みんなちがって みんないい」。

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姿形、生き方、考え方、能力、みんなそれぞれ違う。それぞれが違うことをお互いに認め合い、それを尊重すること。それが心のバリアフリーにつながるのではないでしょうか。音楽祭のボランティア参加を通じて、「自己肯定感」の育成と、「他者を認める」ことができる人を目指します。

ボランティア実施日:2013/6/2

計画・進捗

今年で13回目を迎える日本最大規模の『とっておきの音楽祭』は、仙台市各所で障害のある方や健常者の方が分け隔てなく音楽を演奏したり歌を歌ったり踊ったりと、音楽を通じてお互いを認め合うイベントです。その運営スタッフとして参加させていただきました。「自己肯定感」の育成と、「他者を認める」ことができる生徒に成長して欲しいという思いで、ボランティア参加を計画しました。

事前打合せ ・ 事前学習

『音楽祭』事務局から実行委員の方にお越しいただきました。
『音楽祭』事務局から実行委員の方にお越しいただきました。

5月13日、『とっておきの音楽祭』事務局より講師の方をお招きし、映像を交えて昨年度の様子や概略をお話していただきました。

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5月24日、ボランティア内容の説明や、ボランティア用Tシャツ、ガイドブックなどを用いて打ち合わせを行いました。

5月31日、最終打ち合わせ。担当するボランティア内容やステージが決まり、参加生徒に責任を持って行うよう指導をしました。


当日の様子

6月2日、生徒は8時前に集合し、全体ミーティングに参加します。緊張した面持ちで、それぞれの配置や注意事項、目的の確認を行います。コンサートは10時30分からで、開始までは各ステージでパンフレットの配布を行います。生徒たちはいくつかの班に分かれて、活動を開始。パンフレット配布場所は、仙台駅西口南側、仙台駅西口北側、勾当台公園南側、勾当台公園北側、定禅寺通りの定禅寺パークビル、元鍛冶町公園の6ヶ所です。駅前は人通りが多く手渡すのは一苦労で、なかなか受け取ってもらえません。

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それでも生徒たちは、楽しそうに明るい笑顔で取り組んでいました。一方、メイン会場付近では、音楽祭参加の方が多く、早々にパンフレットがなくなっていました。次に、出演者の受付です。受付以外に演奏の合間には「カンパ」のお願いをします。大きな声で「カンパお願いします!」と声を掛けている生徒、また、グッズ販売をしている生徒もいます。お昼を過ぎる頃にはようやく慣れてきたようで、自分たちから積極的に動くことができていました。また、ボランティア参加者間でのコミュニケーションも活発にできていました。他の高校や専門学校の生徒たちと気軽に言葉を交わし、とても楽しく交流ができていたようです。コンサートが始まると各会場では比較的自由がききますが、その分コンサートの繋ぎ時間では、カンパやグッズ販売が行われ、とても忙しくなります。それぞれの会場で、時間をずらして昼食を取ったり、他のステージを見学に行ったり、知り合いが出演しているステージへ駆けつけたりと、時間も疲れも忘れて活動していました。それぞれの『枠』を超えた『絆』を感じることができた貴重な経験であったようです。

演奏が始まってからはパンフレット配布のボランティア。こちらは公園前。多くの人が受け取ってくれました。
演奏が始まってからはパンフレット配布のボランティア。こちらは公園前。多くの人が受け取ってくれました。
駅前でも大きな声でパンフレットを配布しています。『責任感』が『充実感』に変わりつつある瞬間です。
駅前でも大きな声でパンフレットを配布しています。『責任感』が『充実感』に変わりつつある瞬間です。

事後学習

6月2日のボランティア活動終了後、実行委員やボランティアの方と新たな仲間としての絆を感じることができ、互いに讃えあい、今日1日を振り返りました。生徒の笑顔と時間を忘れて楽しむ姿が、充実感と達成感を物語っていました。

所感 ・ 振り返り

今回、仙台キャンパスとして初めての『音楽祭』参加となりました。拘束時間が長く体力が必要で、積極的に人に話し掛けなければいけないという、強い責任感が伴うボランティア活動でした。しかし、参加してみると、『人』の温かさに触れ、『絆』を感じ、世代や身体の特徴などの「枠」をこえ、互いを認め合える体験ができました。「また来年もやりたい」「来年はぜひともMCをやりたい」と言う声も上がり、生徒の成長の可能性と「心のバリアフリー」を身を持って感じた1日でした。

主催団体・参加者

私立 第一学院高等学校 高萩校(仙台キャンパス)

男子3名、女子7名