精米過程および卸売業の職場観察(熊本県・高校生)



今回はお米屋「橋本商店」さんにご協力をいただき、職場観察を行った。事前学習では、店主の方への質問を考え、精米の過程を学習。職場観察当日は、玄米から白米に精米する工程を全てを見せていただき、店主の方が気をつけている点や想いについて聞くことができた。事後学習では新聞作りを行った。

 

職場観察実施日:2013/6/24

計画・進捗

橋本商店さんは、熊本で長きにわたってお米屋を営んでいる。以前、店主の方から、米や食について年々大きく変化していることや品質管理など気に掛けられていることなどのお話を伺った。生徒たちに「食の変化」「食のありがたみ」を知ってもらうことを目的に、職場観察を計画した。

事前打合せ ・ 事前学習

6月5日、橋本商店さんと事前打ち合わせを行う。生徒は、精米過程を見たことが無いので、その見学と解説をいただきたいこと、更にお店の経営における大変さややりがいなどのお話もいただきたいことを伝えた。6月12日、事前学習を実施。橋本商店さんの概要説明を受け、お米やお店のことなどインタビュー内容を考えるワークシートの作成に、真剣に取り組んだ。

当日の様子

6月24日、店主の橋本さんに温かく出迎えていただき、職場観察スタート。まずはお米についてのお話を伺う。生徒たちは真剣な眼差しで、メモを取りながら聞いていた。特にお米の産地チェックは、DNA鑑定を用いているとのこと。関東や大阪でも異常が見つかり、信用問題になったことや、僅かな石や生物などの異物が混入しただけでも、信頼を失ってしまうとのこと。そこまでして産地や製品にこだわることに、生徒たちは感心していた。次に、精米過程を見せていただく。始めはお米を運ぶ作業。

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30kgある米袋を持つと、生徒は息を切らしながら、「こんなに重い物を毎日運んでいるのはすごい」と驚きの表情。奥の精米部屋では様々な器具に圧倒されつつも、興味津々。「この器具は何に使うのか」「こんな大きな音がするのか」「玄米がこんなにきれいに精米されるのか」など様々な発見があり、橋本さんの解説に一生懸命メモを走らせていた。最後のインタビュータイムでは、昨年の『熊本広域大水害』で浸水があった時のお話や、お米の消費量が10年前に比べて三分の一になっているなどのお話に、生徒たちは神妙な面持ちで聞いていた。

装置を使って精米中
装置を使って精米中
真剣にメモを取っています
真剣にメモを取っています

事後学習

お礼のお手紙を作成
お礼のお手紙を作成

6月24日の職場観察終了後、振り返りを行う。メモをしていた内容を基にワークシートを記入し、「お米屋さんは自分が想像していたよりも大変な仕事だが、その中でもおいしいと言って貰えるなどのやりがいがあることに気づいた」「精米過程で大きな機械が何台も音を立てて稼動していることに驚いた」などの感想があがり、学びが多い体験であった。

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また、橋本商店さんへお礼の手紙を書いた。6月26日に事後学習として新聞作成を行った。議論しながら内容をまとめ、精米過程を中心にした出来上がりとなった。


所感 ・ 振り返り

今回の体験学習では、「食が年々変わってきていること」「米を通じて食へのありがたみ」を知ってもらうことをテーマに職場見学を実施。生徒の体験中や事後学習の様子から、「仕事をしている人の背中」を見て、学ぶことも多かったようである。橋本さんの様々な話は、生徒たちが普段聞くことができない仕事の本音であって、新鮮かつ見えない部分での様々な苦労や厳しさ、面白さが伝わってくるものだったのだろう。

実施校・参加者

私立 第一学院高等学校 養父校(熊本キャンパス) 2年次生

男子2名