蔦屋書店 ~そこに住む人々が発見や感動に溢れる居場所づくり~(熊本県・高校生)




生徒にも馴染みが深く、足を運ぶ機会の多い、熊本最大級の蔦屋書店(三年坂店)に職場見学をお願いしました。訪問までに会社概要や業務内容を調べ、当日の職場観察では、三年坂店独自である商品ディスプレイの仕方や工夫、そして、普段は見られない仕事の裏側や難しさを詳しく知ることができました。事後学習では、質問と回答、特に印象に残ったお話を中心に、新聞作りに取り組みました。

 

職場観察実施日:2013/6/26

計画・進捗

熊本最大級の蔦屋書店(三年坂店)。500坪の売場に50万冊の品揃え、その他にもレンタルDVD / VIDEO / CDや販売DVD / CD、リサイクルDVD / CD、CAFEや文具も揃っています。生徒にも馴染みが深く、足を運ぶ機会の多いことから、職場観察のお願いし、実施する運びとなりました。

事前打合せ ・ 事前学習

蔦屋書店とはどのような会社なんだろう?
蔦屋書店とはどのような会社なんだろう?

5月29日、職員が店長の小西さんを訪問し、事前打ち合わせを行いました。蔦屋書店さんでは、中学生に対しても職場見学の受け入れをしているとのことです。今回は1階から3階を見せていただくことになりました。6月19日 13時より、事前学習を行いました。蔦谷書店は熊本最大級でキャンパスに近いということもあり、生徒は何度も足を運んでいて認知度は高いようです。

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まずはインターネットを使用して、「会社概要」「企業理念」「主な事業内容」について調査を行いました。生徒同士で協力しながら話し合いを進めていきます。特に、本が好きで書店の仕事を知りたいという生徒は、是非尋ねたい「学生時代にやっておいた方がいいことはありますか?」などの質問を考えているようです。


当日の様子

6月26日 13時半、最初に店長の小西さんに挨拶をし、自己紹介シートを渡しました。生徒たちは3人とも緊張している様子です。小西さんから会社概要や沿革の話をしていただき、その中で「蔦屋を利用したことがありますか?」という問いかけが出て、「はい、僕は○○店をよく利用します。」とにこやかに回答でき、緊張もほぐれたようです。お話を伺った後は、職場観察です。

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蔦屋書店1階(雑誌・書籍コーナー)から移動していきます。3つある出入口から、どんな層のお客様が入ってくるかを把握することによって、どの種類の本を置くかを決めていることや、フロアマットの色にも気を配っていると聞き、普段何気なく通っているところにも色々な工夫があることに生徒は驚いていました。2階はCD / DVD・漫画・雑貨、3階はゲームとレンタルコーナーで、特に本やゲームが好きな生徒たちは目を輝かせながらの観察でした。次に、商品の出し入れ部屋にて、本の梱包作業などを見学しました。蔦屋書店は大きい店舗の為、数多くの商品を扱っています。ニーズの高い商品を数多く販売することを得意としているのに対し、ニッチな商品は苦戦しているとのことです。よって、あまり馴染みのない商品には、自作の紹介文を作って少しでもお客様の目にとまるよう努力しているとのことです。「すごい、これも手作りなんだ。」と紹介パネルに生徒は見入っていました。全体見学の後、小西さんへの質問の時間をいただき、「仕事で一番好きなことはなんですか?」「学生時代に役に立ったスキルはありますか?」と積極的に聞いていました。小西さんの「自分が学生の時はあまり外に出るタイプではなかったが、サービス業ではマナーやコミュニケーション力が欠かせない。みなさんもいろんな人と関わっていってください。」というお言葉がとても心に残ったようです。最後に小西さんと記念写真を撮り、感謝の言葉を述べて、蔦屋書店を後にしました。

最初に事業内容や企業理念について説明をしていただきました。
最初に事業内容や企業理念について説明をしていただきました。
1階の書籍コーナーから案内していただきました。
1階の書籍コーナーから案内していただきました。

漫画のコーナーにも、手作りのPRパネルがたくさん作成してありました。
漫画のコーナーにも、手作りのPRパネルがたくさん作成してありました。
蔦屋書店には、素敵な雑貨も販売してありました。
蔦屋書店には、素敵な雑貨も販売してありました。

お店の隅々にまで売り手の工夫がありました。
お店の隅々にまで売り手の工夫がありました。
店長の小西さんと一緒に記念写真。
店長の小西さんと一緒に記念写真。

事後学習

感謝の気持ちをこめてお礼状を書いています。
感謝の気持ちをこめてお礼状を書いています。

職場観察終了後、キャンパスへ戻って事後学習を開始。しばらくは「蔦屋書店に雑貨やゲームが売ってあることを知らなかった」「とても広くて品数も多かった」など店内の様子に興奮冷めやらずといった状態でした。一段落した後、質問内容を一つひとつ確認します。今まで一番売れた本が『思考の整理学』だったことで、質問した生徒は、それがどんな内容のものなのか、とても気になったようです。「それにあんなにたくさん本があるのに、よく把握されているな」と感心することしきりです。

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全員に共通して最も印象に残ったことは、「各フロアにおいて、売上を伸ばすために手作りのPR用紙を作成していることに驚いた」という内容でした。一人でも多くのお客様に、多くの商品を紹介するため、作品を手にとってもらうために、様々な工夫がなされていることを知りました。「見えない努力があるんだな」と感じたようです。みんなで質問の答えを話し合った後は、店長の小西さんへお礼の手紙を書くことになりました。それぞれが体験した内容を思い出しながら、「店舗によって特色が違うことを初めて知りました」「僕も将来本に関わる仕事に就きたいです」という感想を書いていました。最後には、質問した内容をインタビュー記事にし、写真を貼って、楽しく新聞作りに取り組みました。


所感 ・ 振り返り

今回の職場観察では、生徒たちが普段からよく利用し、興味を持っている企業を対象とすることで、普段は見えない仕事の裏側や、店舗独自の苦労や工夫を知ることができました。今回が初めての職場体験である生徒は、「いつでも利用できて発見や感動に溢れている場所」をモットーとする蔦屋書店ならではの働き方、接客の難しさ、喜び、そして、マナーやコミュニケーションの大切さを感じることができたようです。

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また、「一冊の本を売るにも、従業員の思いと苦労がある」ことが分かったのではないでしょうか。今後、生徒が学んだことを身につけられるように、接客・営業に必要なコミュニケーション力とマナーの意識向上をしていきたいと思いました。

実施校・参加者

私立 第一学院高等学校 養父校(熊本キャンパス) 2年次生

男子3名