NPOで働く人の想い(しごと講話)(岩手県・高校生)



前回、特定非営利活動法人「未来図書館」さんに、社会人講話を実施していただきました。今回は、そこで働かれている方のお話を生徒たちに聞かせてくださいと、しごと講話を依頼しました。仕事についてや趣味、生い立ち、大切にしている言葉など、講師の方のお話は多岐にわたり、講話後、生徒たちは今と将来の自分を見つめ直すことができました。

 

しごと講話:2013/5/24

計画・進捗

特定非営利活動法人「未来図書館」さんは、子どもと社会をつなぐ活動を行っている団体です。NPO法人という立場で多くの社会人と関わっていらっしゃるスタッフの方から、仕事に対しての考え方や捉え方には人それぞれ違いがあり、働くことを通し様々な面において人としての成長や学びがあることを、生徒に感じ取ってもらうことが狙いです。

事前打合せ ・ 事前学習

5月17日 11時20分から、未来図書館の方と講話の内容と流れを打合せをしました。講師はお二人で、テーマは「仕事への思い ~2人の大人の価値観の違い~」となりました。講和の進め方については、講師の方の生き様を語っていただくことを第一と考え、思いのままにお話していただく形で依頼をしました。考え方や生き方などをリアルに伝えることが狙いでもあるからです。お二人とも高校生を前に話をするのが初めてということで、とても楽しみにしているとおっしゃっていました。

当日の様子

5月24日 10時30分、司会の曲道裕介さんによる自己紹介から始まりました。お話の中で趣味のマンガやゲームの話題に、生徒たちは笑顔で反応を示します。社会人と高校生という立場の違いに、当初生徒たちは少し壁を感じていたようですが、同じような分野に興味を持たれている曲道さんに、お話後は親近感を持ったようです。場が和んだところで、本題の講話が始まりました。最初は田上孝幸さん。未来図書館ではデザイナーの仕事をしていらっしゃいます。工業高校で学んだことを活かして、東京の企業に就職した田上さん。そこで自分の作ったものを上司に否定されたとのことです。しかし、それをばねにして、再びデザインのことを一生懸命学び、お客さんから信頼を得る仕事ができるようになったと。田上さんは自己の経験から、「仕事においてお客さんから評価され喜ばれるかが、とても大切なことであることに気付きました。」と最後に語られました。田上さんの仕事における信念は「挫折を経験しても、一つのことを突き詰めると結果は出る」とのことです。次に話をしていただいたのが、佐々木瞳さん。留学や転職、人との出会い、またその過程で精神的に辛い思いもあり、様々な経験から佐々木さんの仕事の価値観は形成されました。生徒たちに向け、真剣に思いを込めて自身のことを語られた佐々木さん。「仕事は自分を構成する一部」 というメッセージは、生徒たちの心に大きく響いたようです。

田上さんからクイズです。
田上さんからクイズです。
真剣に熱く語っていただきました。
真剣に熱く語っていただきました。

事後学習

また、生徒たちも真剣に聴いていました。
また、生徒たちも真剣に聴いていました。

5月24日の講話後、自身のことを振り返りながら感想を書く時間を設けました。仕事を含めた将来のことを含め、今の自分の生活を見直す良い機会になったようです。以下、生徒の感想の一部を記します。「社会に出るにはどんな経験が必要なのか。お二人の話を聞いて、答えは一つではなく仕事や人でそれぞれ違っていることが分かりました」「将来についてまだまだ不安な事もありますが、今回のお話を通じて自分らしく頑張ればいいということが学べて良かったです」「佐々木さんのお話がとても興味深かった。トラウマを抱えて、それをいかに乗り越えるのかが大事だと思った」「とても貴重な話を聞くことができました。将来何の仕事をしたいかより、どんな人間になりたいかを考え、進路を考える上で参考にしたいと思います」


所感 ・ 振り返り

講師の方の経験や想いが、生徒たちの今持っている悩みや希望と重なったような気がしました。比較的生徒たちと近い年代の方が、どういう想いや考えで仕事をしているのか、それを感じてほしいと思って企画しました。講師のお二人のメッセージは、他人(社会)と自分との付き合い方を考えさせられるものでした。これから社会に出て行く生徒たちにとって、とても意味のある講話になったと思います。

主催団体・参加者

私立 第一学院高等学校 高萩校(盛岡キャンパス) 全学年

男子22名、女子13名