職場観察「美術館・学芸員の仕事を知ろう」(群馬県・高校生)

今回は1年次生を対象とした職場観察で、校舎近隣で多数を受け入れていただける訪問先を探しました。当校の教育指針にご賛同いただき、高崎市美術館での実施が決定しました。事前の打合せを電話と訪問で2回行い、こちらの希望に合わせてのスケジュールを組んでいただきました。職場観察と学芸員の方のお話を通じて、仕事や職種に関する視野が広がり、ルールやマナーを守る集団行動の意識も高まったようです。

 

職場観察実施日:2013年5月31日

計画・進捗

1年生にとって初めての職場観察になる為、集団行動への意識を高めること、また「働くこと」「人との関わり」などに目を向けることを目的として、校舎近隣での実施を計画しました。高校生の学習ということで、入館料も含めて無償でご支援いただきました。

事前打合せ ・ 事前学習

<事前学習>

5月27日のロングホームルームで、事前学習のワークシートを活用して実施しました。特に、1年生は初めての職場観察となるため、目的として「働くことの意義」や「社会と関わり、人のために尽くすことの大切さ」などを知るきっかけにすることを伝えました。また、真剣に働いている大人と触れ合う中で、自分の将来の目標となる「なりたい大人」を見つけられるように、今回の他にも職場観察の機会があることを伝えました。訪問するにあたって、身だしなみ・表情・態度や姿勢・挨拶と心構えについても確認しました。

当日の様子

企画展の前で記念撮影
企画展の前で記念撮影
インタビューの様子。学芸員の方が丁寧に教えてくださいました。
インタビューの様子。学芸員の方が丁寧に教えてくださいました。

5月31日 13:00より高崎市美術館を訪問し、企画展で行われていた「ジパング展-沸騰する日本の現代アート」の作品を、学芸員の方の説明を聞きながら見学しました。学芸員の方が作品について一つひとつ丁寧に解説をしてくださったので、普段芸術に関わりの少ない生徒も、理解を深めたり楽しんだりしながら鑑賞することができました。鑑賞後、学芸員の方に仕事の内容ややりがいについてお話いただきました。

学芸員の仕事が、ただ芸術に触れるだけではなく、傷ついた作品を修理したり保管したりしながら、すばらしい作品をいかに後世に残していくかを考えることや、地域の芸術家の方を発掘すること、また地域のみなさんにすばらしい芸術作品を知ってもらうためにイベントを企画することなどを、お聞きしました。すばらしい作品が世に知られることにやりがいを感じると教えていただき、芸術に興味のある生徒は特に目を輝かせて聞いていました。その後、自由に作品を鑑賞する時間を設け、記念撮影を行いました。最後は受付の方に挨拶をし、終了しました。

事後学習

5月31日の職場観察実施後、校舎に戻り14:30よりワークシートに基づいて事後学習を行いました。普段芸術に触れていない生徒が多かったのですが、企画展が現代アートということもあり、興味を持って鑑賞できたようで、「もっと時間をかけて鑑賞したい」「また美術館に行きたい」との振り返りをした生徒が多くいました。また、学芸員の仕事内容について、すばらしい芸術作品をいつも見ることができるだけでなく、沢山の作品を人々に知ってもらうための工夫をしていることを知り、大変な一面とやりがいを感じていたようです。また、学芸員の方のお話から、芸術が好きで活き活きと働いていることが伝わり、生徒たちも刺激を受けていました。お礼状は、来週以降のロングホームルームで作成する予定です。

所感 ・ 振り返り

普段の学校生活では気力がない様子の生徒が、芸術作品に興味を持ち、学芸員の方の話を熱心に聞いている姿に驚きました。今回は1年生で初めての職場観察ということもあり、事前学習では服装や態度について念入りに確認し、美術館に入る前にも再度チェックをしました。美術館は、他のお客様も多くいらっしゃり、また作品も丁寧に扱いながら鑑賞する必要があるため、しっかりと事前指導を行った上で参加させる必要があると感じました。

主催団体・参加者

私立 第一学院高等学校 高萩校(高崎キャンパス) 1年次生

男子6名、女子5名